研究紹介 > 研究成果 > 研究成果 2017年紹介分 > 地球上の土壌炭素分布の予測精度を向上させるデータマイニング技法
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2017年4月28日掲載
論文名 |
Data-mining analysis of the global distribution of soil carbon in observational databases and Earth system models(全球土壌炭素分布データを、データマイニング技法を用いて解析する) |
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著者(所属) |
橋本 昌司(立地環境研究領域)、南光 一樹(森林防災研究領域)、Boris Ťupek(LUKE、フィンランド)、Aleksi Lehtonen(LUKE、フィンランド) |
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掲載誌 |
Geoscientific Model Development、10:1321–1337、March 2017、DOI:10.5194/gmd-10-1321-2017(外部サイトへリンク) |
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内容紹介 |
地球の陸地を覆う「土壌」には膨大な炭素が蓄積されており、将来の気候変動に大きな影響を与えると考えられています。そのため、土壌の炭素が気候変動に与える影響を評価するためには、地球システムモデルと呼ばれる地球の気候や炭素の動き予測するモデルを用いて、土壌炭素の空間分布や変動を正確に予測することが不可欠です。しかし、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のレポートでも採用されている最先端のモデルを用いても、現地調査に基づく土壌炭素の分布の予測とモデルによる予測が大きく異なることが確認されており、その原因の解明が求められていました。 本研究では、地球システムモデルによる土壌炭素分布の予測と、現地調査に基づく土壌炭素分布の予測を、データマイニング技法という最新の方法で解析しました。両者の予測は一致しませんでしたが、その原因として、地球システムモデルは、現地調査に基づいて推定された土壌炭素の分布に比べて植物の生産力を過大に組み込んでいる一方で、土壌の窒素や粘土の量など、土壌の質の違いが十分に反映されていないことがわかりました。 今後、地球システムモデルをこれらの点について改善していくことで、地球上の炭素循環をより精度よく予測できると考えられます。 注)地球システムモデル:気候を陸・大気・海洋における炭素循環も組み込んで表現し、気候変動を予測するために用いられるモデル。 注)データマイニング技法:大量のデータに適用し、そのデータに潜む関係性やパターンを発見する解析手法。
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