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森林減少・劣化に対して地域住民がとる不適切な行動への対策を提案

2018年6月22日掲載

論文名

Addressing maladaptive coping strategies of local communities to changes in ecosystem service provisions using the DPSIR framework(生態系サービスの変化に対して地域住民がとる不適切な適応・対処戦略とDPSIRフレームワークを用いた解決策の提案)

著者(所属)

江原 誠(国際連携・気候変動研究拠点)、百村 帝彦(九州大学)、佐藤 廉也(大阪大学)、黒澤 靖・荒谷 邦雄(九州大学)、SOKH Heng(カンボジア森林局)、香坂 玲(東北大学、ソウル国立大)

掲載誌

Ecological Economics, 149, 226-238, July 2018、DOI: 10.1016/j.ecolecon.2018.03.008(外部サイトへリンク)

内容紹介

カンボジア王国の森林は、住民の貴重な現金収入源である天然樹脂や食料などの森林の恵み(非木材林産物)を供給していますが、企業や住民の農地開発、違法伐採などにより森林の減少・劣化が進行しています。これにより非木材林産物を採取できなくなった住民の一部は、周辺に残っている森林を仕方なく農地に転用することにより生計の維持を試みます。本論文ではこうした、森林減少・劣化の影響を受けた住民がさらなる森林減少を助長するという連鎖の実態を、DPSIRフレームワーク注)を用いて明らかにしました。

その結果、こうした森林減少の連鎖への主な対策として、1)非木材林産物に生計を依存している住民が多い地域を特定する、2)同地域に配慮した土地利用計画を策定し、関連法の施行を強化する、3)同地域での非木材林産物のマーケティングを強化する、4)非木材林産物に依存している住民を優先的に森林レンジャーとして雇用する、ことが有効であると考えられました。これらの成果は、カンボジア王国において、より現場の実態に即した施策の立案に貢献します。

 

注)DPSIRフレームワークは、「Driver(問題の根本的原因)」、「Pressure(問題の直接的原因となる圧力)」、「State(圧力を受け変化する社会や生態の状態)」、「Impact(状態の変化によって生ずる影響)」、「Response(社会側の対策・対応)」の5つの構成要素から人間活動と環境の関係を捉えるもので、生物多様性条約第10回締約国会議で合意された愛知目標の設定にも活用されています。

 

写真1:仲買人のもとに集められた天然樹脂その1 写真2:仲買人のもとに集められた天然樹脂その2

写真:仲買人のもとに集められた天然樹脂。天然樹脂は森林周辺の地域住民の貴重な現金収入源ですが、森林減少・劣化により失われることになります。

 

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