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冬の伐採では、トドマツの稚樹の日焼けを防ぐためには、木陰を作ることが重要

2018年9月10日掲載

論文名

Springtime photoinhibition constrains regeneration of forest floor seedlings of Abies sachalinensis after a removal of canopy trees during winter. (春の光阻害は冬伐採後のトドマツ稚樹の更新を制限する)

著者(所属)

北尾 光俊・原山 尚徳(北海道支所)、韓 慶民(植物生態研究領域)、Evgenios Agathokleous・上村 章・古家 直行・石橋 聡(北海道支所)

掲載誌

Scientific Reports、8:6310、April 2018 DOI:10.1038//s41598-018-24711-6(外部サイトへリンク)

内容紹介

北海道の主要造林樹種であるトドマツの子供(稚樹)は、林内の暗い環境でも生きていくことができます。特に北海道東部は積雪が少なく、またササの繁茂が少ないため、トドマツ林内に多くの稚樹を見る事ができます。北海道では冬季にトドマツ林の伐採作業をよく行ないます。その場合、林内に生育する稚樹を利用して、伐採後の天然更新施業(人工的な植栽を行わず、自然な稚樹の発生を利用する施業)が可能でしょうか?

そこで冬季に伐採率を変えてトドマツを切り倒し、光環境の変化に対するトドマツの稚樹の光阻害と成長量の関係について調べました。ここで光阻害とは「葉の日焼け」の事です。春の調査では、林内で育った稚樹の葉は、伐採率が高い(より明くなった環境)条件で強い光阻害を受けていました。夏になると多くの葉は元気になりましたが、枝の伸長量は光阻害が強い(明るい)場所ほど少なくなっていました。これは障害を受けた葉が落葉する、または光合成能力が低下する事が原因であると考えられます。これらのことから、伐採施業後のトドマツの天然更新を促進するためには、上木(母樹)を一部残すなどして「強い光」から稚樹を守ることが大切であることがわかりました。


図:トドマツ伐採調査地の様子

図:トドマツ伐採調査地の様子(2016年5月撮影)。上木伐採を行わなかった暗いコントロール区(A)。冬季に上木を皆伐し、光環境が劇的に明るくなった皆伐区(B)。皆伐区ではトドマツ稚樹の葉には赤変、落葉が生じた個体が多く見られました)

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