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南北で異なる成長の季節変化:スギが毎年刻むリズムを探る

2019年1月16日掲載

論文名

Latitudinal variation in radial growth phenology of Cryptomeria japonica D. Don trees in Japan.(日本のスギにおける肥大成長フェノロジーの緯度変異)

著者(所属)

西園 朋広(森林管理研究領域)、図子 光太郎(富山県農林水産総合技術センター)、広嶋 卓也・當山 啓介(東京大学)、北原 文章(四国支所)、寺田 文子(元北海道立総合研究機構)、高木 正博(宮崎大学)、齊藤 哲(関西支所)

掲載誌

Forestry: An International Journal of Forest Research、91(2):206-216、April 2018、DOI: 10.1093/forestry/cpx055(外部サイトへリンク)

内容紹介

樹木は春になると太り始め、冬が近づくと成長を止めるリズムを毎年繰り返し、だんだん大きくなります。南北に長い日本では、春の訪れる時期に地域差があり、例えばサクラの開花は暖かい南からだんだんと北上します。サクラ前線と同じように、スギの幹の成長開始は南から北に向けて進み、成長の停止はその逆になるのではないかと予想しました。

そこで、日本列島の南(宮崎市)から北(函館市)まで、複数のスギ林で直径成長の季節変化を計測しました。その結果、北に生育するスギと比べて、南に生育するスギの成長開始日は早いことが分かりました。一方、成長停止日には南と北で明瞭な違いがなく、スギの年間の成長期間は南に生育するスギの方が長い傾向があることが分かりました。このような成長リズムの違いが、北のスギに比べて南のスギの方が早く成長する原因になっていると考えられます。本研究は、日本のように季節性に富む地域で、スギ人工林を柔軟に経営・管理していくために、大変重要な知見と言えます。

 

図:緯度と直径成長の開始日・停止日との関係。

 

図:緯度と直径成長の開始日との関係。一年間の直径成長量の10%に達した日を成長開始日としました。緯度が低いほど(南に行くほど)成長開始が早いことが分かります。

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