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合板の釘接合部における構成単板の詳細な抵抗挙動を明らかにした

2019年4月15日掲載

論文名

Method for measuring the resistances produced on parallel and perpendicular veneers in plywood under nail embedment loading (釘側面が合板へめり込む場合の繊維平行・直交方向単板における抵抗挙動測定)

著者(所属)

小川 敬多・原田 真樹(構造利用研究領域)、渋沢 龍也・宮本 康太(複合材料研究領域)

掲載誌

Journal of Wood Science、65:1、Springer 日本木材学会、2019年2月 DOI:10.1186/s10086-019-1786-4(外部サイトへリンク)

内容紹介

合板とは、単板(丸太をかつら剥(む)きして得られるシート状の木材)を、繊維方向が互いに直交するように重ねて接着して製造した面材料です。木造建築物の壁や床などの構面に多く用いられているこの合板は、柱や梁などの軸部材に釘を用いて接合されることが多いため、その接合部性能は建物の強度にも大きく影響してきます。木材は繊維方向によって力学的性能が変化しますが、釘接合部でも合板を構成する単板の向きと力が掛かる方向の組合せで強度や変形の性能が変化します。

本研究では、合板を用いた釘接合部が荷重を受け、打たれた釘の側面が合板にめり込む際の挙動を測定し、合板を構成する単板の抵抗挙動を比較的簡単な数値モデルで置換する方法を用いることによって、その結果を繊維平行・直交方向それぞれの単板に分けて評価することが可能となりました。これにより、合板を用いた釘接合部において、変形量が小さいときは平行方向の単板が直交方向のそれよりも大きな抵抗力を発揮すること、試験が進行して変形量が大きくなるにしたがって両者の抵抗力の差が小さくなることを明らかにすることができました。

この結果は、釘接合部に用いられる合板の基礎的な材料特性の解明ではありますが、今後この成果を活用することにより、釘接合部の性能向上につながる新たな木質材料の開発や、それを構成材料とする新たな接合部の強度特性の解明を進めていきたいと考えています。

 

図1:合板の釘接合部にめり込み変形が生じている様子

図1:合板の釘接合部にめり込み変形が生じている様子。この時、合板では木材繊維平行方向と直交方向の2タイプの単板で同時にめり込み変形が生じており、この時の各単板での力学挙動を調べました。

図2:合板を構成する単板の力学挙動

図2:合板を構成する単板の力学挙動(スギ構造用合板を用いた際の結果)。変形量の小さい領域では繊維平行方向の単板は直交方向のそれよりも小さな変形で大きな抵抗力を発揮していますが、変形量の大きい領域では両者の抵抗力の差が小さくなることが明らかになりました。

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