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消された名前「オガサワラミズナギドリ」を回復させましょう

2019年5月17日掲載

論文名

日本鳥類目録におけるセグロミズナギドリ和名変更の提案

著者(所属)

川上 和人(野生動物研究領域)、江田 真毅・泉 洋江(北海道大学)、堀越 和夫・鈴木 創(小笠原自然文化研究所)

掲載誌

日本鳥学会誌、68巻1号、日本鳥学会、2019年4月 DOI:10.3838/jjo.68.95(外部サイトへリンク)

内容紹介

小笠原諸島の森林で繁殖するセグロミズナギドリは、世界に広く分布する種と同種と考えられてきました。この鳥は約100年前に発見され、最初は小笠原の固有種「オガサワラミズナギドリ」と名付けられました。ただし、その後に形態が似た海外の鳥と同種とされ、1974年から「セグロミズナギドリ」という名前に変更されたのです。しかし、われわれの行ったDNA分析により小笠原の集団は他地域と系統が異なる固有の鳥だとわかりました(関連プレスリリースを参照)。そのため、この論文では、彼らの名前を「セグロミズナギドリ」から再び「オガサワラミズナギドリ」に戻すことを提案しています。

「セグロミズナギドリ」という名前になったのは、世界中にいる鳥を「オガサワラミズナギドリ」と呼ぶのはおかしい、共通の特徴である背中の黒色から「背黒~」と呼ぶのが妥当だという理由だったのでしょう。しかし、小笠原固有という最初の分類は間違っていませんでした。現在この鳥は絶滅が危惧されており、最近では東島と南硫黄島の2島でしか繁殖地が見つかっていません。「小笠原~」という名を回復させることは保全意識を高めることにもつながるでしょう。

鳥の和名は日本鳥学会が定め、定期的に改訂する日本鳥類目録に掲載しています。次の改訂では、和名「オガサワラミズナギドリ」を回復することが期待されます。その際には積極的に普及啓発し、和名変更による混乱を避ける必要があります。

 

写真1:かつて「オガサワラミズナギドリ」と呼ばれていた鳥

写真1:かつて「オガサワラミズナギドリ」と呼ばれていた鳥(南硫黄島で撮影)

 

【関連プレスリリース】

小笠原諸島に固有の海鳥をDNA分析で発見 ―セグロミズナギドリとされていた小笠原の海鳥は全くの別種だった―

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