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伐ったら植える:どんな苗木がよいのか広域調査で明らかに

2019年5月27日掲載

論文名

低コスト育林を目指した植栽試験におけるスギ・ヒノキ苗の活着率と初期成長

著者(所属)

酒井 敦(東北支所)、北原 文章(森林管理研究領域)、山中 啓介(島根県中山間地域研究センター)、三島 貴志(島根県東部農林振興センター)、岩田 若奈(島根県立緑化センター)、島田 博匡(三重県林業研究所)、奥田 清貴(元三重県林業研究所)、中島 富太郎(近畿中国森林管理局)、山下 由美子(和歌山県林業試験場)、藤井 栄(徳島県立農林水産総合技術支援センター)、渡辺 直史(高知県立森林技術センター)、鷹野 孝司(四国森林管理局)

掲載誌

日本森林学会誌、101巻2号、94-98、日本森林学会、2019年4月

内容紹介

林業を持続的に進めるためには、人工林を伐った後に苗木を植える必要があります。ところが、再造林には苗木の購入、植え付け、そして植え付け後は数年間下刈り(写真1)が必要になるなど、経費がかかります。そこで一貫作業システムを前提にしたコンテナ苗(写真2)やセラミック苗(細長い筒状の素焼きに土を入れて育てられた苗木)など育林のコストを低く抑えることを目的とした苗木が考えられてきました。

本研究では、近畿、中国、四国地方の13か所の試験地で植えられた様々な苗木(スギとヒノキ)の活着率や成長量を調査して植える時にどんな苗木を選択したらよいか探りました。その結果、コンテナ苗はこれまで普通に植えられてきた裸苗と活着率、成長量は同じくらいですが、セラミック苗は活着率、成長量ともに裸苗より落ちることがわかりました。さらに、スギの裸苗では、植栽時の高さが60cmを超える大苗の初期成長が早いことがわかりました。ただし、大苗は重くて運搬や植え付けに手間がかかるため、道の近くなど植える場所をよく検討する必要があります。

今回は県や地域の枠を超えて調査を行い、横断的な分析をすることで苗木の成長特性を明らかにすることができました。こうした地域間で連携した研究を今後も進めていきたいと思います。

 

写真1:下刈り作業の様子

写真1:下刈り作業の様子。傾斜地かつ炎天下の作業は大変で、省力化が求められています

 

写真2:棚に並べられたコンテナ苗と根の状態
写真2:棚に並べられたコンテナ苗(左)と根の状態(中)、セラミック苗(右)

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