研究紹介 > 研究成果 > 研究成果 2019年紹介分 > 流れてくる土砂や樹木をスギ立木が止める特性を現地斜面で実証
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2019年7月19日掲載
論文名 |
Measuring the critical turning moment of the Japanese cedar (Cryptomeria japonica) in situ. (スギが現地斜面で発揮する転倒抵抗モーメント) |
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著者(所属) |
岡田 康彦(森林防災研究領域) |
掲載誌 |
Journal of Forest Research、24(3):168-177、Taylor & Francis・日本森林学会、June 2019 DOI:10.1080/13416979.2019.1617098(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
ゲリラ豪雨と呼ばれる局地的な大雨の発生が珍しくなくなる中、森林斜面が崩れて流れ出し、麓に大きな被害を及ぼす山地災害に対する国民の心配が広がっています。斜面にダムなどを設置して補強を行い、被害を軽減する工事などもなされてはいますが限界があります。そのため、もともとそこにある森林が持つ防災機能を、如何に最大限発揮させるのかがより重要になってきています。 斜面に木が生えていると、根が地中に張り巡らされることによって土砂崩れを防ぐほか、上方から流れてくる土砂や樹木を止めます。当然、立木が持っている抵抗よりも、上から流れてくるものの作用が大きければ立木は倒れて流れてしまいますので、限界を知ることが重要です。この度、斜面に生えているスギ立木を人為的に引き倒す実験を行い、その際に発揮される抵抗を示す式を導きました。その結果、太いスギほど抵抗は急激に大きくなり、例えば胸の高さでの直径が35cmの場合139.6kNm*註もの値が見込まれることがわかりました。この結果は、従来の評価式による推定値の1.6倍にもなることを示しています。また、水路を用いた物理実験や数値シミュレーションで流木や土石流に対する立木の作用を再現して検証するためにも非常に重要な情報です。 *註:(重量を無視できる)支点からの距離が1mのシーソーの端部に、約14トンの重りを載せた場合の作用に相当する。 (本研究は2019年5月27日にJournal of Forest Research誌にオンライン公表されました。)
写真:斜面上方から流れてきた土砂と樹木を立木が止めた様子(右下方から望む) |
お問い合わせ先 |
【研究推進責任者】 森林総合研究所 研究ディレクター 大丸 裕武 【研究担当者】 森林総合研究所 森林防災研究領域 岡田 康彦 【広報担当者】 森林総合研究所 広報普及科広報係 【取材等のお問い合わせ】 相談窓口(Q&A)E-mail:QandA@ffpri.affrc.go.jp 電話番号:029-829-8377(受付時間:平日9時30分~12時、13時~16時30分) |
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