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スギで成長や材質に関わる遺伝領域を特定し環境の影響を明らかにした

2019年9月3日掲載

論文名

Mapping quantitative trait loci for growth and wood property traits in Cryptomeria japonica across multiple environments(複数環境下におけるスギの成長および材質のQTL解析)

著者(所属)

森 英樹・上野 真義・伊原 徳子(樹木分子遺伝研究領域)、藤原 健(森林バイオ研究センター)、山下 香菜(木材加工・特性研究領域)、金谷 整一(九州支所)、遠藤 良太(千葉県農林総合研究センター森林研究所)、松本 麻子・内山 憲太郎(樹木分子遺伝研究領域)、松井 由佳里(熊本県天草広域本部)、吉田 貴紘(木材加工・特性研究領域)、酒井 佳美(九州支所)、森口 喜成(新潟大学)、草野 僚一(熊本県県北広域本部)、津村 義彦(筑波大学)

掲載誌

Tree Genetics & Genomes, 15:43, Springer, June 2019 DOI:10.1007/s11295-019-1346-5(外部サイトへリンク)

内容紹介

樹木の成長や材質は、それらに関連する遺伝子と生育環境の両方から影響を受けます。今後、気候変動により環境が大きく変化することが想定されます。そこで、我が国の重要な林業樹種であるスギについて、成長や材質に関連する遺伝領域を特定するとともに、生育環境の影響を解析しました。

九州地方のスギを交配して得た139種類のクローンのスギ苗を、茨城県、千葉県および熊本県に設定した試験地に植栽しました(図1)。約10年間後に成長や材質を測定し、遺伝情報と形質との関連を解析しました。その結果、各試験地で平均して53の形質に関連する遺伝領域が見つかりました。それらの中には、全ての試験地で共通している遺伝領域もありましたが(図2)、そのほとんどが試験地によって異なっていました。

この結果は、スギの形質が遺伝情報だけでなく、生育環境の影響も受けることを実際に明らかにしたもので、今後、気候変動に対するさまざまな適応策を考える上で重要な情報となります。

 (本研究は2019年6月にTree Genetics & Genomes誌に公表されました。)

 

図1:熊本県の植栽試験地

図1:熊本県の植栽試験地

図2:スギの形質に関連した遺伝領域を示した遺伝子地図

図2:スギの形質に関連した遺伝領域を示した遺伝子地図
矢印は、3箇所の試験地に、共通して形質への影響が認められた遺伝領域。今回、試験地に共通した遺伝領域は、第4連鎖群(LG4)と第6連鎖群(LG6)にのみに認められました。

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【研究推進責任者】
森林総合研究所 研究ディレクター 山中 高史
【研究担当者】
森林総合研究所 樹木分子遺伝研究領域 森 英樹
【広報担当者】
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