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熱帯雨林の高木サラノキの雑種は挿し木で増殖できる

2019年9月13日掲載

論文名

Rooting ability of leafy-stem cuttings of hybrid Shorea (Dipterocarpaceae)(フタバガキ科サラノキ属の雑種の挿し木発根能力)

著者(所属)

田中 憲蔵(植物生態研究領域)、市栄 智明(高知大学)、上谷 浩一(愛媛大学)、Kang Ming Ngo ・ Shawn Lum(シンガポール南洋理工大学)

掲載誌

Journal of Tropical Forest Science、31(3):324–331、Forest Research Institute Malaysia、August 2019 DOI:10.26525/jtfs2019.31.3.324(外部サイトへリンク)

内容紹介

東南アジアの熱帯雨林は人為的かく乱による炭素蓄積や木材資源の減少が深刻で、成長が良く材質に優れたフタバガキ科のサラノキ属(Shorea)樹木の植林が求められています。しかし、サラノキの仲間は約5年から10年に一度しか花をつけないため実生苗の安定的な供給が出来ず、挿し木による増殖技術の開発が進められています。特に近年、シンガポールでサラノキ属樹木の雑種が多数発見され、両親種より乾燥耐性などが優れている可能性があることから緑化樹木として注目されていますが、これらの雑種について挿し木増殖が出来るかどうか不明でした。そこでこの研究で雑種の挿し穂の発根能力を調べたところ、両親種の発根能力とそん色が無く3割以上で発根が見られました。さらに、他の20種余りのサラノキの仲間と比べても、発根能力が劣ることが無く、挿し木による増殖が可能であることが分かりました。また、枝の先端や基部など、親木のどの位置から得られた挿し穂でもほとんど発根能力に違いはありませんでした。今後、挿し木で増殖させた雑種個体の苗を安定的に供給できれば、乾燥などのストレスが高い荒廃地や市街地の緑化、成長の良い系統の選抜による品種改良などにも役立ちます。

(本研究は2019年8月にJournal of Tropical Forest Science誌に公表されました。)

 

写真1:高湿度状態を保つように水を張ったコンテナ内に設置した育苗バット

写真1:高湿度状態を保つように水を張ったコンテナ内に設置した育苗バット

写真2:発根したサラノキ雑種の挿し穂(植え付け3か月後)

写真2:発根したサラノキ雑種の挿し穂(植え付け3か月後)

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森林総合研究所 植物生態研究領域 田中 憲蔵
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