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津波堆積物から過去の津波の情報を推定する

2020年1月22日掲載

論文名

津波堆積物分布の転換点による断層パラメータ推定のための数値実験

著者(所属)

山本 阿子(森林防災研究領域)、高橋 智幸(関西大学)、原田 賢治(静岡大学)

掲載誌

土木学会論文集B2(海岸工学)、75巻2号、p.l_361-l_366、土木学会、2019年10月 DOI:10.2208/kaigan.75.I_361(外部サイトへリンク)

内容紹介

海岸防災林の防災・減災機能を評価するためには、おこりうる津波の規模や頻度を想定することが必要不可欠です。しかし、数百年から数千年間隔で発生する巨大津波を、観測データだけで推定することは困難なため、過去の津波の規模や波源の推定が問題となります。そこで注目されているのは、津波で運ばれた土砂からなる津波堆積物を元に過去の津波の規模を推定する方法です。

本研究では、数値シミュレーションを用いて、模擬地形において様々な規模の津波(南海地震津波想定)を発生させ、形成された津波堆積物の特徴から、規模や波源を推定できないかを検討しました。

シミュレーションの結果、津波堆積物の砂層厚が海から陸奥にかけて急激に減少する点(以下、転換点)が確認されました。この転換点はある程度決まった流況や粒径において形成されることや、引き波が発生してもその位置は変化しないことが明らかになりました。この転換点の位置から、津波の陸側への到達距離や海岸における波高が推定できる可能性があり、砂層厚と合わせて分析することで津波に関する情報を得る大きな手がかりが得られます。また、このような数値シミュレーションを用いて解析することで、複数点の砂層厚から規模の推定精度が高くなることも確認できました。

今後も改良や検証が必要となりますが、この数値シミュレーションを活用して、津波堆積物から過去の津波の情報を得ることで、将来起こりうる巨大津波をより正確に想定することが可能になります。これは、ねばり強い海岸防災林の整備を進め、維持管理していく上での重要な情報を与えてくれます。

(本研究は2019年10月に土木学会論文集B2(海岸工学)誌に公表されました。)

 

図:津波堆積物、転換点の説明

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森林総合研究所 研究ディレクター 大丸 裕武
【研究担当者】
森林総合研究所 森林防災研究領域 山本 阿子
【広報担当者】
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