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木材パルプの製造排液からポリマー原料を作り出す

2020年8月28日掲載

論文名

Development of the production of 2-pyrone-4,6-dicarboxylic acid from lignin extracts, which are industrially formed as by-products, as raw materials. (工業的に副生するリグニン原料からの2-ピロン4,6-ジカルボン酸の生産技術の開発)

著者(所属)

鈴木 悠造(森林資源化学研究領域)、阿部(旧姓:岡村) 裕里子(東京農工大学)、中村 雅哉・大塚 祐一郎・荒木 拓馬(森林資源化学研究領域)、大塚 博之(東京農工大学)、Ronald R. Navarro(元森林総研PD)、上村 直史・政井 英司(長岡技大学)、片山 義博(日本大学)

掲載誌

Journal of Bioscience and Bioengineering, 130(1), 71-75, July 2020 DOI:10.1016/j.jbiosc.2020.02.002(外部サイトへリンク)

内容紹介

木材の25-35%を構成するリグニンは、地球上で最も多く存在する天然由来の芳香族高分子化合物です。亜硫酸を用いて木材からパルプを製造する過程でリグニンはリグノスルホン酸となり排液に溶け出します。リグノスルホン酸はコンクリート減水剤や染料分散剤として利用されています。今回、我々は、パルプ製造において排出される物質の新たな再利用技術の開発に向けて、リグノスルホン酸をアルカリ酸化分解して得たバニリンやバニリン酸を発酵させてPDC(2-ピロン-4,6-ジカルボン酸)が製造できることを明らかにしました。PDCはリグニンの分解産物であるバニリンやバニリン酸から微生物発酵によって作られ、これを原料として、耐熱性フィルムや伸縮性ポリウレタン、強力なエポキシ接着剤など、生分解性の素材が開発される有用物質です。今回の成果は、木材成分を資源として最大限に多目的利用する技術の開発に貢献するものです。

 

(本研究は2020年7月にJournal of Bioscience and Bioengineeringで公表されました。)

 

図:木材パルプの製造排液に含まれるリグノスルホン酸からPDCへの変換

図:木材パルプの製造排液に含まれるリグノスルホン酸からPDCへの変換。

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