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無花粉スギの原因遺伝子を簡易に分析する手法を開発しました

2020年10月06日掲載

論文名

Development of diagnostic PCR and LAMP markers for MALE STERILITY 1 (MS1) in Cryptomeria japonica D. Don(PCR法およびLAMP法によるスギの雄性不稔遺伝子(MS1)診断マーカーの開発)

著者(所属)

長谷川 陽一(森林総研PD)、上野 真義(樹木分子遺伝研究領域)、魏 甫錦(森林総研PD)、松本 麻子(広報普及科)、伊原 徳子・内山 憲太郎(樹木分子遺伝研究領域)、森口 喜成(新潟大学)、笠原 雅弘・藤野 健(東京大学)、重信 秀治・山口 勝司・尾納 隆大(基礎生物学研究所)、袴田 哲司(静岡県)

掲載誌

BMC Research Notes、2020年9月 DOI:10.1186/s13104-020-05296-8(外部サイトへリンク)

内容紹介

花粉を飛散しないスギを無花粉スギとよびます。無花粉の原因となる雄性不稔遺伝子は、スギでは4種類(MS1MS4)あることが知られています。それらのうち、MS1遺伝子に由来する無花粉スギは20個体程度が見いだされ、無花粉スギの育種に活用されています。しかし、これまで、雄性不稔遺伝子の調査には、花粉形成の有無を調べたり、人工交配を行ったりする必要があり、時間と労力がかかっていました。

そこで、原因遺伝子MS1の塩基配列を明らかにし、MS1のタイプ(正常型か無花粉となる変異型か)を診断する遺伝マーカーを開発しました。これを用いて、植物体よりDNAを抽出し、PCR法により、MS1のDNAを増やしたのち、電気泳動によりMS1のタイプを診断しました(写真1、図)。またLAMP法によりMS1のタイプを溶液の白濁により判定する方法も開発しました(写真2)。これらの方法の一部は、「LAMPプライマーセットおよびプライマー対」として特許出願しました。本方法によって、MS1の変異型を持つスギ個体を確実に探索することが可能になりました。

 

(本研究は2020年9月にBMC Research Notesでオンライン公表されました。)

 

図:PCR法とキャピラリー電気泳動装置による無花粉スギの検出

図:PCR法とキャピラリー電気泳動装置による無花粉スギの検出。
無花粉スギではピークが先(左側の緑の四角で囲った範囲)に現れます。

 

写真1:PCR法とアガロースゲルによる無花粉スギの検出
写真1:PCR法とアガロースゲルによる無花粉スギの検出。

 

写真2:LAMP法による無花粉スギの検出
写真2:LAMP法による無花粉スギの検出。
反応液が白濁するサンプルが変異型を示します。

お問い合わせ先

【研究推進責任者】
森林総合研究所 研究ディレクター 山中 高史
【研究担当者】
森林総合研究所 樹木分子遺伝研究領域 上野 真義
【広報担当者】
森林総合研究所 広報普及科広報係
【取材等のお問い合わせ】
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電話番号:029-829-8377(受付時間:平日9時30分~12時、13時~16時30分)

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