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塩基配列からスギの雄性不稔となる遺伝子を持つ系統を新たに発見

2020年10月06日掲載

論文名

Marker-Assisted Selection of Trees with MALE STERILITY 1 in Cryptomeria japonica D. Don(スギ雄性不稔(MS1)のマーカー選抜)

著者(所属)

森口 喜成(新潟大学)、上野 真義(樹木分子遺伝研究領域)、長谷川 陽一(森林総研PD)、田玉 巧・渡部 大寛・斉藤 龍之介(新潟大学)、平山 聡子・岩井 淳治(新潟県)、今野 幸則(宮城県)

掲載誌

Forests、11(7), 734、2020年7月 DOI:10.3390/f11070734(外部サイトへリンク)

内容紹介

雄性不稔スギは、花粉を飛散することがないため無花粉スギともよばれています。花粉が形成される際に働く遺伝子に異常があるため雄性不稔になります。しかし正常なタイプ(野生型)が一つあれば異常のあるタイプ(変異型)があっても、見かけ上は正常に花粉を生産します。そのため、雄性不稔遺伝子のタイプを識別するDNAマーカーを利用することにより、見かけ上は正常な雄性不稔系統を効率的に検出することが可能になります。

本研究では、雄性不稔遺伝子(MS1)を識別するDNAマーカーを用いて、新潟、山形、宮城、鳥取、静岡、熊本の6県からの603個体、宮城県の天然林からの47個体を調べました。その結果、新たに8個体がMS1をもつ系統であることを明らかにしました。

スギは、全国に広く分布する樹種であり、地域の気候風土に応じて良好に生育しています。そのため、各地域で雄性不稔系統のスギが蓄積されれば、地域の環境や利用目的に応じた優良な無花粉スギ品種の開発が、より効率的に行えるようになります。今後も引き続き雄性不稔遺伝子を識別するDNAマーカーを活用して、新品種の開発に向けた、雄性不稔遺伝子をもつ系統の効率的な探索を進めていきます。

 

(本研究は2020年7月にForestsでオンライン公表されました。)

 

図:本研究で新たに明らかになったスギの雄性不稔系統

図:本研究で新たに明らかになったスギの雄性不稔(MS1)系統。
地図中の太線は、育種基本区の境界線を表します。育種基本区には環境条件により区分けされた複数の育種区が含まれます。本研究では各育種基本区から少なくとも1県が含まれるようにサンプルを収集しました。ローマ数字のI~VIが本研究で対象とした宮城、山形、新潟、静岡、鳥取、熊本の各県を表し、それぞれ、77、163、238、34、72、66個体をDNAマーカーで解析しました。

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森林総合研究所 研究ディレクター 山中 高史
【研究担当者】
森林総合研究所 樹木分子遺伝研究領域 上野 真義
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