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森林内の空間線量率の基本的な分布パターンは安定していた

2020年10月23日掲載

論文名

Temporal changes in the spatial patterns of air dose rate from 2012 to 2016 at forest floors in Fukushima, Japan. (福島県の森林林床における2012年から2016年までの空間線量率の空間分布の時系列変化)

著者(所属)

今村 直広(立地環境研究領域)、松浦 俊也(東北支所)、赤間 亮夫(震災復興・放射性物質研究拠点)、池田 重人(立地環境研究領域、震災復興・放射性物質研究拠点)、小林 政広(立地環境研究領域)、三浦 覚・篠宮 佳樹(震災復興・放射性物質研究拠点)、金子 真司(関西支所)

掲載誌

Journal of Environmental Radioactivity、222、106377、2020年8月 DOI:10.​1016/​j.​jenvrad.​2020.​106377(外部サイトへリンク)

内容紹介

福島原発事故で放出された放射性セシウムは現在でも森林に留まっています。林業やレクリエーションなど森林内で活動する際の被ばくを防ぐには、森林内の空間線量率の空間的な分布と変化傾向を把握し、考慮することが大切です。

地形条件や汚染の程度が異なる福島県内の4林分(0.12~0.24ha)で、林床から高さ10cmの空間線量率を2012年から2016年にわたって継続的に測定した結果、林内の空間線量率は全ての林分で時間経過とともに低下しましたが、空間線量率の分布パターンは大きくは変わりませんでした(図1)。空間線量率は地表付近に存在する放射性セシウム量に影響されます。今回調査したような緩斜面が多い山地では、地表部の落葉層に多く存在した放射性セシウムは時間とともに分解して下層の鉱質土壌へと垂直方向に移動しましたが、水平方向への大きな移動は無かったことを示します。つまり、森林内では事故後初期に形成された放射性セシウムの空間的な分布パターンが大きく変化しなかったと言えます。このような森林内の放射性セシウムの分布パターンの安定性は、空間線量率の長期予測や森林内での活動を考える際の重要な知見となります。

 

(本研究は2020年8月にJournal of Environmental Radioactivityで公表されました。)

 

図1:森林内における2012年から2016年までの空間線量率の空間分布

図1:森林内における2012年から2016年までの空間線量率の空間分布。灰色線は1m毎の等高線を示し、白丸は空間線量率の測定地点を示す。各地点の空間線量率は、物理的減衰の補正をして2011年3月11日の値を推定したものである。

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【研究推進責任者】
森林総合研究所 研究ディレクター 大丸 裕武
【研究担当者】
森林総合研究所 立地環境研究領域 今村 直広
【広報担当者】
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