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雨季の中休みと年降水量は関連している

2020年10月30日掲載

論文名

Long-term Hydrological Observations in a Lowland Dry Evergreen Forest Catchment Area of the Lower Mekong River, Cambodia. (カンボジア国メコン川下流部の低地乾燥常緑林流域における長期水文試験)

著者(所属)

壁谷 直記・清水 晃(九州支所)、清水 貴範・飯田 真一・玉井 幸治(森林防災研究領域)、宮本 麻子(生物多様性拠点、森林管理研究領域(併))、Sophal CHANN(カンボジア森林野生生物研究所)、荒木 誠(森林防災研究領域)、大貫 靖浩(東北支所)

掲載誌

JARQ-Japan Agricultural Research Quarterly、55(2)、April 2021 URL:https://www.jircas.go.jp/ja/publication/jarq/2019j24(外部サイトへリンク)

内容紹介

近年、地球規模の気候変動が世界各地の降水量に影響を与えているということが指摘されています。しかし、このような地球規模の気候変動が地域の水循環にどのような影響を及ぼしているのかについては不明な点が多く、定量的な研究例も多くありませんでした。その一方、インドシナ半島に雨季をもたらす夏季モンスーンには、一時的に雨量が少なくなる小乾季(モンスーンブレーク)とよばれる、雨季の中休みともいえる時期があります。この小乾季が、地域の水循環にどのような役割を果たしているのは、これまで十分に理解されていませんでした。小乾季の発生と雨量についての関係を理解することで、将来的には雨季の後半の雨量の予測に役立つ可能性があります。

そこで、カンボジア中央部の常緑林流域における10年間の水収支観測の結果を取りまとめ、その間の気候変動指標(#)と対象流域の降水量の関連性を調べました。その結果、年降水量は10年間の平均値が約1600mmであるのに対して、ラニーニャの場合は1800mm以上の多雨年となり、エルニーニョの場合には1200mm以下の少雨年となることがわかりました(図)。一方、観測した10年間のうち、小乾季が発生した年は4回ありましたが、いずれも年降水量1800mm以上の多雨年でした。これらのことから、小乾季と雨季後半の多雨とが関連している可能性が示されました。

#エルニーニョ・南方振動に関連する気候変動指標のひとつ南方振動指標(SOI値)を用いました。

 

(本研究は2020年10月にJARQ-Japan Agricultural Research Quarterlyでオンライン公表されました。)

 

図:小乾季が発生した年の例

図:小乾季(モンスーンブレーク)が発生した年の例 (Kabeya et al Fig 5を一部改編)

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