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スギクローン苗再生の初期過程で発現する遺伝子を明らかにした

2021年1月22日掲載

論文名

Genotype and transcriptome effects on somatic embryogenesis in Cryptomeria japonica.(スギの遺伝子型とトランスクリプトームが不定胚形成に及ぼす影響)

著者(所属)

伊津野 彩子・丸山 毅・上野 真義・伊原 徳子(樹木分子遺伝研究領域)、森口 喜成(新潟大学)

掲載誌

PLOS ONE、December 29, 2020 DOI:10.1371/journal.pone.0244634(外部サイトへリンク)

内容紹介

植物の組織培養においては、増殖させたカルスより、葉、茎、根に再生する能力を有する組織である不定胚(写真)を経由して、効率的にクローン植物を再生させることができます。私達は、日本の主要林業樹種であるスギの様々な系統の苗を効率的に作出するための技術として、不定胚を用いたクローン増殖技術の開発を進めています。本研究では、カルスより不定胚が誘導される過程で機能する遺伝子を明らかにしました。

同じスギ系統から増殖したカルスに不定胚を誘導する処理を行い、正常に形成される不定胚では、そうでないものに比べて植物の胚発生過程に関わる遺伝子が多く発現していました。これらの遺伝子の発現量は、不定胚の形成を判断するための良い指標となる可能性が示されました。

スギの不定胚が形成されるメカニズムについては未解明な部分が多くあります。そのため系統によっては、安定したクローン苗の作出が難しい状況にあります。本研究の成果をもとに、再生過程の早期段階で正常な不定胚を選別する技術を開発できれば、特定の系統のクローンを安定的に増殖させることができるようになると考えられます。

(本研究は2020年12月にPLOS ONEにおいて公表されました。)

 

写真:同じ系統のスギから誘導した胚性万能細胞

写真:同じ系統のスギから誘導した胚性万能細胞(不定胚)。正常に再生する不定胚(下左)では、植物の胚発生過程を制御する遺伝子が多く転写されていた。

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【研究推進責任者】
森林総合研究所 研究ディレクター 山中 高史
【研究担当者】
森林総合研究所 樹木分子遺伝研究領域 伊津野 彩子
【広報担当者】
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