研究紹介 > 研究成果 > 研究成果 2021年紹介分 > 大学の森林科学関連学科の教育カリキュラムでは何を学ぶのか
ここから本文です。
2021年2月9日掲載
論文名 |
大学における森林科学の専門教育課程のカリキュラム ―森林科学関連学科を事例にした分析― |
---|---|
著者(所属) |
井上 真理子(多摩森林科学園)、上甲 夏子・杉浦 克明(日本大学)、大石 康彦(多摩森林科学園) |
掲載誌 |
日本森林学会誌、102(6)346-357、2020年12月 |
内容紹介 |
SDGsで求められている持続可能な森林経営の実現のためには、森林管理の高度な知見を持った専門家の養成が重要です。森林の専門教育を行う教育機関に大学がありますが、従来の林学科が改組によって森林科学科や環境科学科などの名称に変わってきています。 私たちは、多様化する大学の森林科学関連学科について、専門教育課程のカリキュラムの調査を行いました。2019年時点で森林科学関連学科を持つ大学は29校ありますが、教育内容については演習林設置の他には統一的な規定はありません。旧林学科を系譜に持つ25校では、森林を含む学科(コース)に変わった学科の他に、農業全般を含む学科に改組したことで森林との関連が分からなくなった学科もありました(表-1)。さらに、3大学について森林の専門学科のカリキュラムを詳しくみたところ、専門分野(造林・立地や防災・水文など10区分)と基礎・総合(測量など)、合計159種類もの多様な科目が開設されていましたが、科目の共通性は半数程度に留まっていました。 この結果からは、専門教育として必要な内容の検討をふまえた教育内容の再構成が必要であることを示唆しています。今後、調査対象を全国の大学や海外に広げて森林教育の体系化を図ることで、専門教育の充実につながることが期待されます。
(本研究は2020年12月に日本森林学会誌において公表されました。)
表-1 大学の森林科学の関連学科のある学部、学科等の名称
|
お問い合わせ先 |
【研究推進責任者】 |
お問い合わせ
Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.