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積雪時の森林浴にもリラックス効果はある

2021年3月16日掲載

論文名

The effects of viewing a winter forest landscape with the ground and trees covered in snow on the psychological relaxation of young Finnish adults: A pilot study(積雪の地面と樹木がある冬の森林の風景を見ることがフィンランドの若年成人の心理的リラクゼーションに及ぼす影響:試行的研究)

著者(所属)

Ernest Bielinis (Univ. of of Warmia and Mazury in Olsztyn)、Emilia Janeczko (Univ. of Life Sciences in Warsaw)、高山 範理(企画部/森林管理研究領域)、Anna Zawadzka・Alicja Słupska・Sławomir Piętka (Univ. of of Warmia and Mazury in Olsztyn)、Maija Lipponen (Natural Resources Institute Finland)、Lidia Bielinis (Univ. of of Warmia and Mazury in Olsztyn)

掲載誌

PLoS ONE、16(1)、Janualy 2021 DOI:10.1371/journal.pone.0244799(外部サイトへリンク)

内容紹介

近年の研究によって、森林浴が心身に与える回復効果が明らかにされてきましたが、冬季の積雪下における森林浴についてはこれまでほとんど知見がありませんでした。そこで本研究では、ポーランド・日本・フィンランドの研究者が共同で、雪に覆われた林内での森林浴がもたらす心理的なリラックス効果の解明を目的とした実験を行いました。

実験は、フィンランドの大学生22名を対象として、20-25cmの積雪のある森林環境(写真1-A)と、建物と積雪のある対照環境(写真1-B)をそれぞれ15分間体験してもらいました。そして体験の前後で質問紙による調査を行い、「気分状態(POMS)」や「感情(PANAS)」、「回復感(ROS)」や「活力感(SVS)」がどのように変化するのかを調べました。

分析の結果、森林環境では体験後にネガティブな気分状態に改善が見られたのに対して、対照環境では気分状態がさらにネガティブになっていました。また、森林環境では回復感が向上しましたが、対照環境では低下しました。さらに、対照環境ではポジティブな気分状態・感情、活力感にそれぞれ低下が見られましたが、森林環境ではポジティブな状態が持続していました。

本実験から、森林内が雪に覆われていたとしても、森林浴によるリラックス効果が期待できることが分かりました。この結果は、今後国内の積雪地帯の森林空間の活用方法を考えていく上でも重要な知見となるでしょう。

 

注)POMS:Profile of Mood States(ポジティブ/ネガティブな“気分状態”を調べる質問紙)

PANAS:Positive and Negative Affect Schedule(ポジティブ/ネガティブ“感情”を調べる質問紙)

ROS:Restorative Outcome Scale(“回復感”を調べる質問紙)

SVS:Subjective Vitality Scale(“活力感”を調べる質問紙)

 

(本研究は2021年1月にPLoS ONEでオンライン公表されました。)

 

 

写真:森林環境の風景と対照環境の風景
写真:森林環境の風景(写真1-A)、対照環境の風景(写真1-B)

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