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10mの空間解像度で全国の森林土壌炭素地図を作成した

2021年12月24日掲載

論文名

National-scale 3D mapping of soil organic carbon in a Japanese forest considering microtopography and tephra deposition(微地形とテフラ沈着を考慮した全国の森林における3次元土壌有機炭素マッピング)

著者(所属)

山下 尚之・石塚 成宏・橋本 昌司(立地環境研究領域)、鵜川 信(鹿児島大学)、南光 一樹(森林防災研究領域)、大曽根 陽子(立地環境研究領域)、岩橋 純子(国土地理院)、酒井 佳美(九州支所)、稲富 素子(農業・食品産業技術総合研究機構)、川西 あゆみ・森貞 和仁・田中 永晴・相澤 州平・今矢 明宏(立地環境研究領域)、高橋 正通(国際緑化推進センター)、金子 真司(関西支所)、三浦 覚(震災復興・放射性物質研究拠点)、平井 敬三(立地環境研究領域)

掲載誌

Geoderma、406、115534、January 2022 DOI:10.1016/j.geoderma.2021.115534(外部サイトへリンク)

内容紹介

森林土壌は温室効果ガスである二酸化炭素の重要な吸収源です。気候変動影響の予測や緩和策を立てるとき、どこに、どの程度の炭素が土壌にため込まれているのかを、正確に把握する必要があります。しかし、日本の森林の多くは、地形や地質、水分環境が複雑な山地に分布するため、詳細に土壌炭素貯留量を推定することが困難でした。

本研究は、AIを活用したデジタル土壌マッピング技術(注)をベースとして、日本の土壌炭素貯留量を大きく左右するテフラ(火山灰)や微地形の分布を考慮した推定手法を新たに開発しました。これにより、林野庁森林吸収源インベントリ情報整備事業における森林土壌の調査データから10mの空間解像度を持つ精度の高い3次元土壌有機炭素地図を作成しました(図)。これまでの手法と比較して推定精度が約20%向上し、より誤差が少なく信頼性の高い地図を作成できました。また、1kmから10mへの高空間解像度化により、特に山間部における地図の実用性が向上しました。

土壌炭素貯留量の地図は、気候変動モデルの基盤情報として活用され、その結果は地球規模や国家スケールの吸収源対策等、気候変動対策の立案に役立ちます。また、土壌炭素貯留量を林班といった森林管理の単位や、さらに細かく一つの斜面内の変動を把握できるので、炭素貯留に配慮した森林施業の選択が現場レベルで可能になります。この地図は公開リポジトリからダウンロードして使用できます(https://doi.org/10.5281/zenodo.4291343(外部サイトへリンク))。

(注)地形・気象・植生等との関係性を利用して土壌の特性を推定する手法。

(本研究は、2021年10月にGeodermaにおいてオンライン公開されました。)

 

図:全国の土壌炭素貯留量と土壌炭素貯留量の3次元分布

(記載論文および公開リポジトリの図・データを一部改変して使用した)

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森林総合研究所 立地環境研究領域 山下 尚之
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