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森林の鳥132種、繁殖地の平均気温算出し、気候変動影響の指標に

掲載日:2022年7月8日

国内の森林に生息する鳥類132種について、それぞれ繁殖期に分布する地点の気温平均値「種の気温指数」を全国的な鳥類調査と気象庁データを基に算出しました。種の気温指数は、気候変動が野鳥の国内分布に今後どのような影響を与えるか評価する際に重要な指標として役立つものと期待されます。

「全国鳥類繁殖分布調査」の2,342地点(2016-2021年にデータ収集)と「モニタリングサイト1000」陸生鳥類調査(森林サイト)の375地点(2013-2017年にデータ収集)における年間平均気温(気象庁公開データ)と個体数の加重平均から種の気温指数を求めました(図)。

その結果、ウソ、コマドリ、キクイタダキ、クロジ、ハシブトガラ、アオジ、アカハラは寒い地域(気温指数が低い)に偏っていました。一方、コジュケイ、メジロ、ハシブトガラス、ヤマガラ、ヒヨドリ、エナガ、コゲラは暖かい地域(気温指数が高い)に分布が偏っていました。

欧米では既に、気候変動の影響評価に鳥類各種の気温指数が用いられています。

(本研究は、2022年6月にBird Researchにおいて公表されました。)

図:年平均気温の全国鳥類繁殖分布調査とモニタリングサイト1000での比較

図:主要な50種の森林性鳥類が記録された地点の年平均気温の全国鳥類繁殖分布調査とモニタリングサイト1000での比較。種の順番は左から、全国繁殖分布調査における年平均気温の中央値が低い順で並べています(北に行くほど年平均気温は低いので、縦軸の年平均気温は上下を逆転させています)。図中の四角は加重平均値、縦棒は中央50%、上下の点は最小と最大値を示しています。

  • 論文名
    2種類の全国調査にもとづく繁殖期の森林性鳥類の分布と年平均気温
  • 著者名(所属)
    植田 睦之(バードリサーチ)、山浦 悠一(四国支所)、大澤 剛士(東京都立大学)、葉山 政治(日本野鳥の会)
  • 掲載誌
    Bird Research 18:A51-A61、2022年6月 DOI:10.11211/birdresearch.18.A51(外部サイトへリンク)
  • 研究推進責任者
    研究ディレクター 正木 隆
  • 研究担当者
    四国支所 山浦 悠一

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