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より複雑かつ多様性が増してきている「ネクサス」のアプローチ

掲載日:2022年12月2日

地球規模の複雑な課題を解決するため、異なる要素間を関連付けて統合的な課題解決に取り組む手法(ネクサス・アプローチ)は、環境資源管理の分野において構成要素の数を増やしながら多様化していることが、本研究で行った文献調査から判明しました。背景にはSDGs(持続可能な開発目標)の達成に関わる、社会の持続可能性問題が待ったなしの状態であることが考えられます。

本研究では、論文など300以上の出版物の内容を整理し、ネクサス・アプローチの構成要素の内容を時系列で整理しました。その結果、ネクサス・アプローチが登場した1980年代初頭は食料とエネルギーのみが構成要素でしたが、その後食料危機、エネルギー危機、水不足などを背景に、水を加えた3つに構成要素が組み合わさったネクサスへと変化していきました。近年は生態系や土地利用などの構成要素も加わりより複雑・多様なネクサスへと変化しています。

このようにネクサス・アプローチは、ある要素の進歩が別の要素での妥協を必要とするトレードオフ(相反性)や、構成要素が互いに利益をもたらすシナジー(相乗効果)など、構成要素間の相互作用を検証することが可能です。さらに、SDGsの全体的な進展を目指す戦略づくりにおいても有効な手法として期待され、追加で採用すべき構成要素の検討が急ピッチで進められています。

本研究は、2022年9月8日にScience of the Total Environmentでオンライン公開されました。)

図:ネクサス・アプローチは、持続可能な開発を達成するための統合的な手段を提供するもの

図:ネクサス・アプローチは、持続可能な開発(SDGs)を達成するための統合的な手段を提供するものです。中央の図は、5つのコンポーネントからなる概念的ネクサスを示しています。ネクサスの構成要素は、資源分野、課題、またはその両方の組み合わせです。S&Tは、それぞれ相乗効果(シナジー)と相反性(トレードオフ)を意味します。成果とは、相反性と相乗効果を考慮した上で得られた結果を指します。ラインは相互作用を示します。
SDGs image Credit: Zerobeta

  • 論文名
    Complexity and diversity of nexuses: A review of the nexus approach in the sustainability context(ネクサスの複雑さと多様性:持続可能性の文脈におけるネクサスアプローチのレビュー)
  • 著者名(所属)
    Ronald C. Estoque(エストケ・ロナルド・カネーロ)(生物多様性・気候変動研究拠点)
  • 掲載誌
    Science of the Total Environment, 854, 158612, January 2023 DOI:10.1016/j.scitotenv.2022.158612(外部サイトへリンク)
  • 研究推進責任者
    研究ディレクター 平田 泰雅
  • 研究担当者
    生物多様性・気候変動研究拠点 Ronald C. Estoque(エストケ・ロナルド・カネーロ)

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