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掲載日:2023年3月27日
欧州の主要林業国スウェーデン、フィンランド、ドイツで進む中小規模の森林所有者のグループ化はそれぞれ個別型・全国型・地域型と異なっていることが比較研究で分かりました。これら3国はグループ化を通じて、森林・林業の持続可能性を国際評価する「森林認証」*)を森林面積の8割まで取得。1割にとどまる日本においても取得を加速させる上で、どのようにグループ化を図ったら良いか検討する際の参考になる成果です。
本研究では、これら欧州3国で森林認証の取得を主導しているグループがどのような組織なのか調査し比較しました。
スウェーデンでは、森林所有者組合や林産企業など森林管理サービスを担う組織による自由競争的なグループが主導(個別型)し、フィンランドでは全国展開する森林管理組合によるグループ(全国型)が、ドイツでは州有林・共有林・個人有林などの独立した所有者・管理者による州単位のグループ(地域型)がそれぞれ担っていました。
これら3国では、森林管理基準に国際的な共通性を持ちつつも、それぞれの地域に合わせた独自の組織化と認証制度の運用が行われていました。
*)森林認証 森林経営の持続性や環境保全への配慮などを基準にして、第三者機関が森林または経営組織などを認証する制度です。認証された森林から産出される木材・木材製品の認証ラベル表示により、消費者の選択的な購入を促し、持続可能な森林経営を支援します。国内では2003年設立された一般社団法人緑の循環認証会議(SGEC/PEFC-J)による「SGEC認証」があり、国際的なPEFC森林認証プログラム(1999年発足)による「PEFC認証」と2016年に相互承認しています。このほか、1993年設立の国際NGO森林管理協議会(FSC)による「FSC認証」があります。
(本研究成果は、2023年2月に日本森林学会誌でオンライン公開されました。)
図:森林認証の取得形態からみた中小規模所有者のグループ構造
資料:各国PEFC資料より作成
表:国別の森林および認証林面積(2022年)
資料:PEFC StatiticsおよびFSC Statistics
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