森林総合研究所 所報 bV7・2007-8
 
巻頭言

森林総合研究所における
女性研究者支援モデル育成の取り組み
研究コーディネータ    中島  清

中島 研究コーディネータ  森林総合研究所では、平成19年度科学振興調整費(女性研究者支援モデル育成)に「応援します!家族責任をもつ女性研究者」を課題提案し、採択されました。所内では理事長直轄の「エンカレッジ推進本部」が設定され、7月13日には推進委員長と推進室長及び推進室員が本部長である理事長より指名されて推進体制がスタートしました。
  森林総合研究所がこの事業に応募した背景は、平成17年3月に農林水産技術会議による「農林水産研究基本計画」の策定、平成18年3月に「第3期科学技術基本計画」と「農林水産研究における人材育成プログラム」がそれぞれ策定され、これらの中で人材の育成と活用、女性研究者が活躍できる環境整備等が謳われていることの他、当所の第二期中期目標及び計画でも、「女性研究者の積極的な採用を図りつつ、優れた人材を確保する」としたことにあります。
  研究独法を巡る環境は大きく変化しています。人件費の削減による人材確保が懸念されるなか、毎年、着実に成果を上げ、目標を達成するためには、優れた人材の確保と活用が研究所として最優先課題の一つとなっています。当所の研究は、その性格上、本・支所間等の異動はもとより、研究調査のための出張が多く、育児や介護を必要とする年代の研究者には、研究と家庭の両立に特に大きな負担がかかります。
  当所では、これまで育児・介護に関わる各種制度の充実、次世代育成支援委員会の設置等の取り組みを行ってきましたが、女性研究者の大幅な拡大には到っていません。その理由として、出産・育児等で休業中の研究活動の支援となる環境整備が未だ十分でないことや、応募・採用が少ないこと等が考えられます。
  この支援モデル育成では、研究サポートシステムの充実とともに、各種制度の見直しによるフレキシブルな勤務体系の検討も予定しています。こうした条件整備を全所的に進めることにより、出産・育児、介護等の必要から、研究を中途で断念、或いは停滞・後退することなく、安心して研究と家庭を両立できる職場環境の実現を目指しています。もちろん、環境整備のためには職員の意識の醸成や認識、理解も重要で、そのための研修やセミナー等による職員への啓蒙、情報収集・提供等も必要です。また、この環境整備は女性研究者に限定したものではなく、将来的には男女共同参画を目指して、出産・育児や介護を必要とする全ての職員の支援策となるよう、発展・拡充させることが重要です。こうした研究環境の整備が将来的には研究所としての高い研究開発能力の確保・発揮に繋がるものと期待しています。


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