森林総合研究所 所報 bV7・2007-8
 
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科学技術振興調整費プロジェクト
応援します!家族責任を持つ女性研究者」の紹介
企画部研究企画科長    大河内  勇
 
  文部科学省は今年度の科学技術振興調整費実施課題59件を発表しました。数千万円から10億円までの様々なプログラムです。その中で、森林総合研究所の「女性研究者支援モデル育成プログラム」が採択されました。このプログラムは平成18年度から始まりましたが、これまで採択されたのは国立大学法人だけで、独立行政法人のプログラムが採択されたのは今回が初めてです。今年度は森林総合研究所とともに産業技術総合研究所及び物質・材料研究機構のプログラムも採択されました。このプロジェクトは大熊前理事長の発案で応募し、書類審査を経て4月15日に鈴木理事長がヒアリングのプレゼンを行って採択に至りました。
必要なワーク・ライフ・バランス
  何故、家族責任を持つ女性研究者を応援しなければならないのでしょうか。子どもや被介護者の世話をするという家族責任の多くは、これまで女性が担い、男性は仕事に専念するという傾向がありました。そのため、家族責任と仕事が両立できずに、中途退職を余儀なくされる女性研究者もいました。そのような問題を少しでも軽減するとともに、家族の負担も男女共同で分け合い、それを支えるために職場の規程や環境を改善して、家族責任と仕事の両立、すなわちワーク・ライフ・バランスを確立するのが大きな目的です。その点では、家族責任を有する女性研究者だけでなく、男性も一般職の方々も対象となります。吉川産業技術総合研究所理事長の言葉を借りれば、「女性の輝かない社会に明日はない」、です。
ワーク・ライフ・バランス実現のために
これから行うこと
  以下のことに取り組みます。
(1)推進体制の整備、裁量労働制の採用等の規程の改善
(2)研究所内一時育児室の設置、育児サポート体制の整備
(3)IT整備による育児・介護者の負担の軽減、育児休業中の情報収集システムの構築
(4)森林総合研究所を希望する女性研究者への情報の提供

推進体制
  本部長である理事長の下、エンカレッジ推進室とエンカレッジ推進委員会がつくられました。エンカレッジ推進室には金指あや子室長他、室員が定められています。また、推進室を支援するためにエンカレッジ推進委員会が開催されました。エンカレッジ推進本部では、文化人類学の世界的権威であり、日本の女性学のパイオニアである原ひろ子教授(お茶の水大学名誉教授、日本学術会議会員)にアドバイザーをお引き受けいただきました。原先生からは、優しい口調ながら本部長にも厳しい注文を付けられるなど、要所々々で的確なコメント・助言をいただいています。
  本年度は本所と関西支所を中心に取り組みを行っていきます。そのため、関西支所には関西支所エンカレッジ推進室を設置しました。今後、支所、林木育種センター、育種場への情報窓口等の設置は、エンカレッジ推進委員会での意見を踏まえ、エンカレッジ推進室を中心に進めていきます。
科学振興調整費で行う意味
  科学振興調整機構の科学技術振興調整費、略して科振調は研究プロジェクト予算として知られていますが、「総合科学技術会議の方針に沿って科学技術の振興に必要な重要事項の総合推進調整を行うための経費」とされています。本プログラムの3年間は、さまざまな改革を「実験する」期間です。この期間の試行結果をもとに、その後は恒久的な措置をとることが予定されます。文部科学省もそれを期待しています。そのためには、この3年間で、森林総合研究所の幅広い人々に支持と理解を広げる必要があります。皆さんのご支援とご協力をお願いいたします。

森林総合研究所で行う意味
  多数の独立行政法人の応募の中から、森林総合研究所の課題が採択されました。何故でしょう。森林総合研究所は、女性研究者にとって、野外調査が多いなど厳しい研究環境にあります。今回の提案では、こうした厳しい研究環境の中での提案であること、全国に展開される支所・育種場を対象とした支援であること、などが評価されたと思われます。また、予算のフレクシブルな対応も評価されています。
  他の農林水産省関連の独立行政法人に先駆けて森林総合研究所の実施課題が採択されたことから、今後の動向は大きな注目を集めています。森林総合研究所は、職員一同が意識改革を行い、新しい時代を拓く「先導的研究機関」となることが期待されています。

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