森林総合研究所 所報 bW0・2007-11
 
プレスリリース2 ◇森林総研が京都議定書に対応した森林土壌に蓄積される炭素量の測定法を確立

 
◇森林総研が京都議定書に対応した森林土壌に蓄積される炭素量の測定法を確立
       (平成19年10月4日にプレスリリースを行いました)
 
   森林総合研究所は、我が国の森林土壌において蓄積されている炭素量を測定する方法を確立し、「森林土壌インベントリ方法書(1)、(2)」として公表しました。
  温室効果ガスの削減量を算出するにあたって、森林によるCO2吸収量を加えることが京都議定書で認められていますが、その際、森林の樹木の炭素蓄積量とともに森林土壌の炭素蓄積量も推定することが求められています。森林総合研究所は林野庁の委託をうけ、「森林土壌インベントリ方法書」を作成しました。これにより、全国約3000カ所の森林における土壌の炭素蓄積量が統一した方法で測定されることになり、森林によるCO2吸収量をより正確に算出できることになります。

【森林土壌の炭素蓄積量を測定するために】
  森林には、二酸化炭素(CO2)を吸収し、温暖化の影響を緩和する効果が期待されています。森林植物は光合成で二酸化炭素を吸収し、炭水化物を合成して樹体に蓄積しますが、やがて落葉や枯死木になって林床に落ち、土壌の中に炭素が蓄積していきます。
  そのため、土壌も含めた森林生態系全体が吸収する二酸化炭素量を算定するには、樹木だけではなく、落葉落枝、枯死木、土壌も加えた炭素量を測定する必要があります。そのため、京都議定書では樹木の炭素量と共に土壌、落葉、枯死木の炭素量を報告しなければなりません。今のところ過去の土壌調査データから炭素量を推定していますが、現在の土壌炭素量を早急かつ科学的に測定する必要があります。このため、林野庁が行う吸収源インベントリ整備情報事業では、全国3000カ所近くを調査し、現在の土壌炭素量を統一した方法で正確に把握することを目指しています。
  森林総合研究所は、林野庁の委託をうけ、森林土壌の炭素蓄積量測定方法マニュアル「森林土壌インベントリ方法書(1)、(2)」を作成しました。本書では、土壌試料の採取法や分析精度の管理方法を改善し、京都議定書に対応したより正確な測定方法を記述しています。また、土壌調査や分析の熟練者でなくとも測定できるよう、現場での土壌調査方法や土壌試料の処理・分析手順の丁寧な解説が付されていますので、森林土壌のさまざまな調査に役立つ内容を含んでいます。このため、今後、測定調査関係機関や民間研究機関、調査会社などに広く利用されることも期待されます。
  なお、このマニュアルは森林総合研究所のホームページからダウンロードできます。ダウンロードのページヘの入り方は、以下の通りです。

○[森林総研トップページ]→[研究内容紹介]→[プロジェクト紹介]→[森林土壌の炭素蓄積量調査]→[マニュアル(2)と入力ツールのダウンロード]

アドレスは、
http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/fsinvent/index.html

  本研究は、林野庁「森林吸収源インベントリ情報整備事業」の助成を受けて遂行されたものです。
 
森林土壌インベントリ方法書(1)野外調査法 表紙
森林土壌インベントリ方法書
(1)野外調査法 表紙

森林土壌インベントリ方法書(2)資料分析・データ入力法 表紙
森林土壌インベントリ方法書
(2)資料分析・データ入力法 表紙
 
(1)野外調査法のA-41ページより
(1)野外調査法のA-41ページより
(2)資料分析・データ入力法のD-39ページより
(2)資料分析・データ入力法のD-39ページより
 

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