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更新日:2020年4月9日

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今月の一枚(№288):ネズ

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 樹形 2020‎年‎3‎月24‎日 撮影             枝と針葉の様子 2009‎年‎12‎月1‎日 撮影

 

ネズ(ヒノキ科)

Juniperus rigida Sieb. et Zucc.

 

子年にちなんで、ネズミに縁のある和名を持つ樹木の紹介です。

ネズはヒノキ科ビャクシン属の常緑針葉樹で、別名をネズミサシと言います。中国北部、朝鮮半島と日本に分布し、国内では東北地方から九州までの山地に自生する高木です。小枝はよく垂れ下がり、葉は長さ1.5cmほどの鋭い針形で3輪生です。

本種の硬く鋭い針葉をネズミ除けに使っていたことから、ネズミを刺すという意味でネズミサシと呼ばれ、それが縮まってネズとなりました。

雌雄異株で、4月頃開花します。果実(球果)は通常、翌年の秋に熟し、直径5~8mm程度の球形をしています。材は木理が緻密で光沢があり、彫刻用などに利用されます。また、庭木や盆栽にも使われることもあります。果実は杜松子(トショウシ)と呼ばれ、中国では漢方の生薬として利尿やリウマチに効果があるとされています。なお、本種に近縁のセイヨウネズ(Juniperus communis :欧州や北米に分布)は果実には香りがあり、蒸留酒であるジンの香りづけに使われています。

本種は四国では日当たりの良い丘陵地や花崗岩地に生育し、瀬戸内海の沿岸には多く自生します。一方、太平洋側である高知県では生育地が限定されていることから、県レッドデータブック植物編(2010年版)で絶滅危惧II類とされています。

病虫害は少ない樹種ですが、ヒノキ樹脂胴枯病が発生することがあるほか、ナシ赤星病の病原菌の中間宿主となる(ナシとビャクシン類との間を菌が行き来する)ため、ナシの産地では植栽が規制されていることがあります。

 

写真 佐藤重穂(樹形)、溝口照江(枝と針葉の様子)いずれも森林総合研究所四国支所実験林(高知県高知市)で撮影 文 佐藤重穂 

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