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更新日:2022年3月10日
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夜間に撮影されたタヌキ
学名:Nyctereutesprocyonoidesviverrinus
タヌキは食肉目(ネコ目)イヌ科に属する東アジア産の哺乳類で、日本、朝鮮半島、中国、ロシア東部などに分布します。本州、四国、九州に生息するものは亜種ホンドダヌキNyctereutesprocyonoidesviverrinus、北海道のものは亜種エゾタヌキN.p.albusとされています。なお、20世紀前半に毛皮を採る目的でヨーロッパに移入された個体群が野生化しており、現在では欧州東部から中部にかけて生息しています。
体長は50-60cm程度で、日本産の野生哺乳類としては中型です。森林や草原に生息しますが、日本では里山や農耕地でよく見られ、住宅地にもしばしば出没します。おもに夜行性ですが、人間の影響が少ない場所では昼間でも活動しています。地面に穴を掘って巣穴として利用します。雌は一度に5-7頭程度の子供を産みます。
雑食性で、ネズミやトカゲ、カエルなどの小動物や鳥の卵、魚、昆虫、植物の葉、果実、種子などを食べます。森林生態系の中では捕食者として活動していますが、糞の中に植物の種子が混じっていることも多く、種子散布者としても働いています。また、動物の死骸を食べることもあるので、森の掃除屋としての役割も果たしています。
写真・文:佐藤重穂
2014年11月15日高知県土佐清水市にてセンサーカメラにより撮影
本記事公開日:2020年3月5日
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