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ホーム > 研究紹介 > 研究成果 > 今月の一枚(No.283~) > No.308:ウスキキヌガサタケ

更新日:2022年9月14日

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今月の一枚(No.308):ウスキキヌガサタケ

usukikinugasadake

ウスキキヌガサタケ(スッポンタケ科)

Phalluslutetus(Liou&H.Hwang)T.Kasuya

初夏から秋に発生する美しいキノコで、国内ではおもに本州中部以西、四国、九州で見られ、海外では中国、台湾、韓国、インドなどに分布します。シイ・カシ林、スギ・ヒノキ林、モウソウチク林などの地表に生育します

子実体は成熟すると高さが10~20cmくらいに伸びますが、傘の下側に伸びる菌網と呼ばれるレース状の垂れ下がった部分が黄色いのが特徴です。近縁のキヌガサタケはこの菌網が白色です。腐生菌の一種で、落葉や落枝などを栄養にしているものと考えられます。

子実体の中央先端部(きのこの傘の部分)にはグレバと呼ばれる胞子を含む粘液状の物質があり、腐ったようなにおいがします。これが小型のハエなどを誘引して、胞子を分散させるとみられています。なお、毒はなく、食用とすることもできます。

環境省のレッドリストには情報不足(DD)として掲載され、四国では愛媛県のレッドデータブックで準絶滅危惧(NT)となっています。

2022年8月15日高知県越知町横倉山にて撮影

(写真と文:佐藤重穂)

本記事公開日:2022年9月14日

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