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更新日:2010年6月1日

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自然探訪2006年7月 イエシロアリ

イエシロアリ(Coptotermes formosanus Shiraki)

日本には離島を含め23種類のシロアリが生息しています。イエシロアリは中国南部~台湾原産と考えられており、種名に使われている‘formosanus’という単語は‘Formosa’、つまり‘台湾’という単語が語源です。日本では関東南部から本州南岸、四国・九州の低地、南西諸島、小笠原諸島という温暖な地域に分布しています。

イエシロアリの巣はメスとオスのペアを中心に、敵と戦うのが専門の兵隊アリと、餌を食べるのが専門の働きアリとで構成されていて、全体の約90%が働きアリ、約10%が兵隊アリです(写真1)。イエシロアリは年に1度、6~7月の蒸し暑い日の夕暮れに巣から羽アリがたくさん飛びたちます。夜になると電灯に集まってきて(写真2)、出会ったメスとオスがペアになって羽を落とし、新しい巣を作るのです(写真3)。

でも、ペアになって巣を作ることができるのはほんのわずか。羽アリが飛び立つ頃、鳥やカエルなど様々な動物たちがちょうど繁殖期を迎え、多くの羽アリはこれらの餌=栄養源となります。動物たちにとってはシロアリさまさま?といったところでしょうか。

写真1
写真1

写真2
写真2

写真3
写真3

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