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更新日:2010年6月1日

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自然探訪2007年8月 ヒメシャラ

ヒメシャラ(Stewartia monadelpha Sieb. Et Zucc.)

真夏の強い陽射にも負けじと、ひと夏を咲き続けるサルスベリの花に、暑苦しさと同時に、ある種の力強さを感じる。サルスベリ(Lagerstroemia indica)の樹皮はその名の通りすべすべとして、木登りの達人であるサルたちすら、容易に登る事は出来ないように見える。この樹木は中国原産のミソハギ科の樹木で、日本に自生しないが、同じサルスベリと呼ばれる樹皮のよく似た樹木を天然林内に見ることがある。明るい色の少ない閉鎖した林内に、ひときわ目立つ赤味がかった樹皮をした樹木がヒメシャラである。滑りやすく、美しい。ヒメシャラは、つばき科ナツツバキ属(Stewartia属)の高木性樹木で、関東から九州の西日本にかけ、太平洋側の冷温帯から暖温帯に広く分布する。同属には、他にナツツバキ(S. pseudo-camellia)とヒコサンヒメシャラ(S. serrata)の2種が本邦に分布する。初夏に咲く花は、他の2種ほど大型ではなく、葉に隠れて目立たないが、世界自然遺産地域に指定されている屋久島のスギ天然林内には、胸高直径50cmにも及ぶヒメシャラが林立し、奇怪な光景を目にする事が出来る。存在感のある樹木であるが、木材としての用途は重要視される事はなかった。近年、苗木の生産が容易なことから、ナツツバキとともに、街路樹、庭園樹として植えられることが多くなっている。

ヒメシャラ
ヒメシャラの木

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