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更新日:2010年9月1日

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自然探訪2010年9月 シロオニタケ

 シロオニタケ (Amanita virgineoides)

夏から秋にアカマツ・コナラ林やシイ・カシ林などに生える大型のきのこで、高さは20cmを超え、傘は直径20cmに達します。全体が純白色で、初めはずんぐりした形で球形の傘が特徴ですが、成長すると傘が平らに開き、スラッとした形になります。傘の縁には幼時にひだをおおっていた被膜の名残りが付着しています。柄は根もとがふくらんでいるのが特徴です。(写真1,写真2)。傘や柄の表面は尖ったいぼにおおわれ、林内ではかなり目立つ形をしています。このいぼは脱落しやすく、雨で流されていることもあります。
シロオニタケは、樹木の根と「菌根」という共生体を作り、植物から栄養分をもらって生きています。菌根を作るきのこは、他にもマツタケ、ホンシメジ、アミタケ、ハツタケ、トリュフなど多くの種類がいます。菌根は、植物が菌根を通じて土壌中の栄養分や水分の吸収がよくなり、根が病原微生物から守られる効果があるため、植物の生育に極めて重要な働きをしています。
日本産のきのこは未だ名前がついていないものが多いのですが、シロオニタケの所属するテングタケ科は、赤い傘に白い鱗片のあるベニテングタケ、白い袋から赤い傘が開くタマゴタケ(写真3)など、大きくきれいな種が多いため、分類研究が進んでいる方です。またシロオニタケの近縁種としてタマシロオニタケ、コシロオニタケ、シロオニタケモドキなどが知られています。シロオニタケは1921年に報告され、日本のほぼ全域で普通に見られます。初めはヨーロッパに分布するAmanita vittadiniiとされていたのですが、オランダの分類学者により別種だということがわかり、日本で採集された標本に基づき1969年に新種記載されました。その後、中国、韓国にも分布することがわかりました。シロオニタケは東アジア特産の種と言ってよいのですが、よく似た近縁種が東南アジアやヨーロッパに分布していて、類縁関係は未だわかっていません。日本では毒きのことして知られていますが、中国雲南では市場で(食用として?)売られているそうです。


写真1:シロオニタケ
写真1:シロオニタケ
2008年9月10日 森林総合研究所多摩森林科学園
(東京都八王子市)にて(シイ・カシ林)

写真2:シロオニタケ2
写真2:シロオニタケ
2008年9月10日 森林総合研究所多摩森林科学園(
東京都八王子市)にて(シイ・カシ林)

写真3:タマゴタケ
写真3:タマゴタケ
1990年10月15日 森林総合研究所(茨城県つくば市)
にて(ドイツトウヒ樹下)

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