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更新日:2011年2月1日

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自然探訪2011年2月 モウソウチク

モウソウチク (Phyllostachys heterocycla f. pubescens)

日本のタケ類の中で最大で、時に高さ25mに達します。蘇州などの揚子江南岸地方原産。中国名は“毛竹(マオツウ)”。日本には平安時代頃から京都の庭園などに持ち込まれていましたが、江戸時代初期に当時の清国から薩摩藩に移植され広まりました。モウソウチクの名前は日本で付けられたもので、三世紀中国“呉”の軍吏“孟宗”が老母に食べさせるため冬に筍を探したという孝行話にちなむとされます。
大きな肉厚の筍がとれることから、里山での栽培が広がります。竹細工の材料としては材質は日本原産のマダケに劣りますが、太い竹竿は足場材、農業資材、漁業資材などに利用されてきました。しかし第二次大戦後、竹材が金属やプラスティックに取って代わり、筍も中国などから大量に輸入されるようになると、多くの竹林は放置されるようになりました。
竹林は林全体が地下茎でつながった大きな一体の生き物で、地上に生える一本一本の竹はその一部に過ぎません。地上の竹が作った養分を地下茎にため込み、田畑や庭、他の植物が生えにくい暗い森の中でも、延ばした地下茎から新しい筍を出します。竹の地上成長は早く、数週間で小規模な森を覆う高さに達します。普通の木は大きくなるのに十数年以上はかかるので、とても敵いません。木は覆われると光が当たらずに枯れることになるので、森は竹林に乗っ取られていきます。竹林では光や養分をモウソウチクが独占し、他の植物との共存が難しい環境になってしまいます。地上の竹を伐り尽くしても地下茎が生き残っていれば、竹林は簡単に復活してしまいます。一生物としての竹林の寿命はよく言われるように数十年で、最後に竹林全体の竹が一斉に花を付けて枯れてしまいます。寿命は竹の種類で異なりモウソウチクは67年であったことが数回記録されています。花が付けた種は地面に落ち、翌年から竹林は再生してきます。このとき竹林のサイズはいったん小さくはなりますが、再生する力は強いと言えます。
谷全体、山全体がモウソウチクに覆われてしまうことも珍しくありません。モウソウチクの侵入は関東以南の温暖な地域の山林では大きな問題です。

写真:モウソウチク1

写真:モウソウチク2

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