ホーム > 今月の自然探訪 > 自然探訪2011年 掲載一覧 > 自然探訪2011年9月 バカマツタケ

更新日:2011年9月6日

ここから本文です。

自然探訪2011年9月 バカマツタケ

 バカマツタケ (Tricholoma bakamatsutake)

日本の秋の風物詩のマツタケは、アカマツ(ハイマツ、ツガ、エゾマツ、トドマツなどにも)林に生えるきのこですが、近縁種のバカマツタケはコナラ、カシワ、マテバシイなどの広葉樹に生えます。マツタケにそっくりの形をしていますが、色は少し薄く、香りはより強いのが特徴です。味・食感はマツタケと大差ありません。「マツタケのくせに生える木を間違えて馬鹿だな・・」というのが和名の語源ですが、青森の方言だそうです。そのほか、「ならまつたけ」、「ぞうきまつたけ」、「にたり」などの名前で昔から知られていました。しかし、学術誌に新種として記載されたのは意外に遅く、1974年のことでした。バカマツタケは松茸として販売されることもあります。

マツタケの近縁種は、日本国内には、ほかにニセマツタケ(広葉樹に生える、香りは薄い)、マツタケモドキ(マツ林に生える、香りは薄い)、シロマツタケモドキ(マツ林および広葉樹林に生える、マツタケモドキに似るが、きのこ全体は白色)があります。また海外では、日本と同種のマツタケは朝鮮半島、中国、シベリアなど東アジアに分布していますが、それ以外の地方では、アメリカマツタケ(全体白色)、オウシュウマツタケ(マツタケに似ている)などが分布します。これらは日本に輸入され、マツタケとして売られています。さらに、中国南西部からミャンマーにかけての森林から未知のマツタケ近縁種が広葉樹に生えることが報告されています。これらのマツタケ近縁種の間の類縁関係は、遺伝子を調べることで、いろいろなことがわかってきました。祖先の種から広葉樹に生える種と針葉樹に生える種が分化し、それぞれが分布を広げた所でさらに別の種に分化したようです。

マツタケとその近縁種は、生きている樹木の根から栄養分をもらっているので、瓶栽培などの人工的な栽培法は成功していません。マツ林を管理し、マツタケが生息しやすい環境にすることが試みられていますが、まだまだゴールには遠い状況です。また、日本のアカマツ林は、林内環境・下層植生の変化、マツ材線虫病の被害のため、マツタケの適地は急速に減り、市場に出荷される量は昭和初期の1%以下になりました。また、マツタケの主産地は京都、広島などの西日本から、岩手、長野などの比較的冷涼な地域に移ってきています。


バカマツタケ
写真1 バカマツタケ
2010年8月30日北海道茅部郡森町字駒ケ岳のミズナラ・カシワ林内にて

販売
写真2 バカマツタケの販売
2010年8月29日北海道茅部郡森町にて(マツタケとして売られている)

本物のマツタケ

写真3 本物のマツタケ
2010年10月29日長野県佐久市入澤のアカマツ林にて(2010年は大豊作だった)

 自然探訪 前の月へ 自然探訪 次の月へ

過去の自然探訪掲載一覧はこちら

お問い合わせ

所属課室:企画部広報普及科

〒305-8687 茨城県つくば市松の里1

電話番号:029-829-8377

FAX番号:029-873-0844