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更新日:2012年9月3日

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自然探訪2012年9月 ハツタケ

ハツタケ(Lactarius lividatus)

秋のきのこシーズンの初めの方に発生するとされ、その名がつきました。全体は暗赤色ですが、傷が付くと赤い乳液が出て、青緑色に変色するので「ロクショウ(緑青)」などの方言もあります。マツ林に発生する美味しいきのこで、お吸い物や鍋物、炊き込みご飯にされます。赤や緑の毒々しい色をしていますが、まぎらわしい毒きのこがないからでしょうか、広く食用にされ、江戸時代には既に知られていました。ハツタケに似たきのこという意味で、クロハツ、シロハツなど、〇〇ハツと名前のつけられたきのこも数多くあります。しかし、マツ林の衰退とともに発生量が減ってきました。マツタケと同じようにマツと共生し、根から栄養分をもらうという特殊な生態のため、人工的な栽培はできていません。しかし、マツ林を落ち葉掻きなどの手入れをすることで、発生を増やせることが知られています。
ハツタケの仲間(チチタケ属)は、傷をつけると乳液を出すことが特徴です。乳液は、白、赤、黄、無色などさまざまで、辛いものもあり、種名を調べる上で重要なポイントになっています。ハツタケの仲間には、アカハツ、チチタケ、アカモミタケなどの食用にされるきのこがあります。アカハツはハツタケと同様にマツ林に発生する橙赤色のきのこで、同じように食用にされます。広葉樹林に生えるチチタケは栃木県ではとても人気のあるきのこで、発生シーズンになるとチチタケ目当てのきのこ狩りの人達が山に入り、「ちたけそば」をメニューにかかげる食堂があちらこちらに現れます。モミ林のアカモミタケも好む人が多く、一時期、富士山に採集ツアーのバスが来たこともありました。
ところで、ハツタケの仲間は、他のきのこに比べ、放射性セシウムを吸収・蓄積しやすいことが知られています。食品の基準値(100 Bq/kg)を超えるものも見つかっているため、他のきのこも含め、野生きのこの採取自体を控えるよう呼びかけている地域もあります。

写真1:ハツタケ
写真1: ハツタケ(鹿児島県 奄美 1998年12月10日)

写真2:チチタケ 
写真2: チチタケ(茨城県大子町、道の駅で販売 2011年7月) 

写真3:アカモミタケ 
写真3: アカモミタケ(茨城県日立市 2011年10月28日) 

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