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更新日:2016年11月1日

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自然探訪2016年11月 タマゴタケ

タマゴタケ(Amanita caesareoides

タマゴタケ(卵茸、Amanitacaesareoides)は、きれいなきのこです。夏から秋に広葉樹および針葉樹の林に発生します。幼菌の時は白い卵状ですが(写真1)、袋の上を破って、赤または橙黄色から黄色の傘、黄色のひだ、だんだら模様の柄(え)のきのこが出てきます(写真2)。柄の根元には白い袋状のつぼが残り、傘の周辺には条線の模様があるのが特徴です。傘は20cmに達することもあり、かなり目立ちます。とても美味しいきのこで、人気が高いのですが、似ている毒きのこ(ベニテングタケ)もあり、注意が必要です。

江戸時代の数種の菌類図譜にも「卵茸・鶏卵菌」として幼時の卵形の時の図が掲載されています。赤い傘の色が毒々しいためなのか、「小毒あり食うべからず(坂本浩然「菌譜」1835年)」と記されているものもありますが、「味は甘美という」と載っている文献もあります。美味しいきのことして当時から認識されていたようです。

日本のタマゴタケは、1900年に初めて学術的に報告され、ヨーロッパに分布するAmanita caesareaと同種とされました。このきのこはヨーロッパでは「帝王のきのこ、カエサルのきのこ」とも呼ばれ、美味しいきのことして食べられています。しかし、その後タマゴタケは東南アジアのA. hemibaphaとされていましたが、近年になりロシアの沿海州に分布するA. caesareoidesであることがDNA解析の結果から明らかになりました。

その他のタマゴタケの近縁種には、キタマゴタケ(A. javanica)、チャタマゴタケ(A. similis)、フチドリタマゴタケ(A. rubromarginata)があり、北米にはA. jacksoniiなどが分布しています。これらの種は、互いによく似ていますが、別種なのか?同じ種の変異なのか?興味のあるところです。

 

(きのこ・森林微生物研究領域 根田 仁)

 

写真1:タマゴタケ幼菌
写真1:タマゴタケ幼菌

写真2:タマゴタケ
写真2:タマゴタケ

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