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更新日:2017年9月7日

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自然探訪2017年9月 ヒラタケ

ヒラタケ(Pleurotus ostreatus

ヒラタケ(平茸、Pleurotus ostreatus)は、広葉樹の枯木に秋から冬に発生するきのこです(写真1)。野生のものは柄がなく、径5~15cmの半円形のきのこが木から生えます。傘は、初めは黒から青黒色、成長すると灰色から灰褐色。傘の裏には白いひだがあります。優秀な食用きのことして知られ、日本では古くから食べられてきました。今昔物語、源平盛衰記などにも登場し、「〇〇しめじ」の名前で広く栽培されています。ただし、栽培品はホンシメジに似せて柄があり、小さい黒~灰色の傘をつけています。日本全国の生産量は1989年に36千トンありましたが、より市場性の高いブナシメジに置き換わり、近年は10分の1以下に生産量が減ってしまいました。

ヒラタケは、普通に見られるきのこです。似ている毒きのこもありますので、注意が必要です。ブナの枯木に生えるツキヨタケ(自然探訪2014年10月)は茶褐色の傘で、短い柄にはツバがあり、縦に裂くと黒いシミがあるので、区別できます。ツキヨタケは中毒すると激しい嘔吐・下痢をします。また、スギなどの針葉樹に生えるスギヒラタケ(写真2)は白い半円形の傘が腐朽材にびっしり生え、きのこの少ないスギ林で採れる食用菌として人気がありましたが、2004年に秋田、山形、新潟県などを中心に、9県で中毒者が出て、実は毒きのこであることがわかりました。死亡者は腎臓の機能に障害のある人に多く、健康な人は中毒しないことが多いので、それまで注意されてこなかったのです。

ヒラタケの所属するヒラタケ属(Pleurotus)には、ウスヒラタケ(写真3)、オオヒラタケ、トキイロヒラタケ(白色型)、タモギタケ、ツバヒラタケなど、形がよく似ていて混同されるものが多く、専門家でも間違えることもあります。

 

(研究ディレクター 根田 仁)

写真1:ヒラタケ
写真1:ヒラタケ(森林総合研究所内コナラ枯幹上に発生2015年11月17日)

写真2:スギヒラタケ
写真2:スギヒラタケ(鳥取県大山ヒノキ腐朽材上に発生2008年10月12日) 

写真3:ウスヒラタケ
写真3:ウスヒラタケ(沖縄県国頭村広葉樹腐朽材上に発生2007年1月23日)

 

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