研究紹介 > 2017年の特集一覧
更新日:2017年4月6日
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森林総合研究所は、高知大学、愛媛大学、大阪市立大学、国際農林水産業研究センター、シンガポール国立南洋理工大学と共同で、シンガポールにほぼ唯一残された貴重な熱帯雨林(ブキティマ自然保護区)に優占するフタバガキ科数種で雑種化が起こっている事実を発見し、初めてその実態を詳細に解明しました。
ポイント1:長期間断片化されていた東南アジアの熱帯雨林で、優占種であるフタバガキ科樹木の雑種の実態を初めて詳細に解明しました。
ポイント2:雑種化はフタバガキ科数種の間でみられ、雑種の占める割合は稚樹段階では最大4割に達します。また、その生存率や成長速度は親種と同じ程度であることがわかりました。
ポイント3:雑種化が進めば、熱帯林から親種が消えてしまう危険があります。
森林総合研究所は、「小笠原諸島における植栽木の種苗移動に関する遺伝的ガイドライン2」を発行しました。
ポイント1:小笠原諸島は今なお進行中の進化の過程を見ることができる特異な生態系の価値が認められ、世界自然遺産に指定されています。
ポイント2:生態系の維持や回復のために在来種を植栽する場合は、植栽木の遺伝的攪乱を最小限に抑える必要があります。
ポイント3:植栽候補種8種の小笠原での遺伝的変異を明らかにし、樹木の進化性に配慮した植栽区分を策定しました。
森林総合研究所は、岡山理科大学と共同で、サクラの種間雑種について、形態や遺伝情報に基づく最新の知見を踏まえて分類体系を再検討し、正しい学名を整理しました。
ポイント1:4 つの種間雑種の学名を、エドヒガン等の親種の組み合わせで整理しました。
ポイント2:Cerasus × yedoensis という学名は、エドヒガンとオオシマザクラの種間雑種名として用いるべきことを示しました。
ポイント3:韓国済州島のエイシュウザクラは、‘染井吉野’と異なり、エドヒガンとオオヤマザクラの種間雑種(C. × nudiflora)であることを明らかにしました。
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