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更新日:2021年11月16日

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大事なことは思いやりの心「検定林調査」

 1回目は「検定林調査」についてです。
 秋(林木の生長休止期)になると東北育種場あげての検定林調査です。職員が手分けをして管内各地にある検定林と呼ばれる試験地の調査を行います。

 

 検定林とは・・・
 木の品種改良(林木育種)を進めていく一つの方法として、成長や材質、病害虫に対する抵抗性などの形質に優れた木を選び、その子孫の中からまた優れた木を選んでいくやり方があります。このような選抜を代々繰り返すことによって改良を進めていくのですが、この優れた木を選ぶために、優良と思われる木を実際に山に植えます。これが検定林です。

 

 東北育種場管内の国有林に設定されている検定林は、現在、約180箇所あります。調査は、設定年(春植えの場合は当年の秋、秋植えの場合は翌年の秋)を1年目として、主には設定後5年目、10年目、20年目と継続して実施します。
 検定林では、素性のはっきりした木を列と行がわかるように整然と植えます。調査は、その一本一本の木の胸高直径、樹高、根曲がり、幹曲がりや、病虫獣害、気象害等の影響を調べていきます。
 調査は基本的には3人一組、一人が胸高直径、根曲がり、幹曲がりを、もう一人が樹高を測定、そして記録を付ける人です【写真-1】、【写真-2】。
 調査地によっては、下草や灌木が生い茂り林内に入ることもままならない状況の場所もあることから、その場合、管理する森林管理署にお願いし、事前に除伐を行ってもらいます。この調整がきちんとできていないと・・・大変です。【写真-1】の調査地も事前に除伐してもらっていたので、調査がスムーズに進みました。
 また、次の調査である5年後、10年後を見越して、次に来る人が調査しやすいようカラースプレーでマークを付けたり、林の状況を記録しておくことも重要な作業です。10年後の担当者にきちんと試験地の状況を引き継がないと、10年後の人が苦労します。
 調査が終了すると、データの整理、入力です。現地調査もそうですが、入力も気を遣います。何百本とある調査木の一本一本のデータを間違わないよう慎重に取り扱って、初めて価値あるものとなります。
 そして、このデータを解析し、多くの植栽木(系統)の中から、成長の良いもの、気象害に強いものなど、目当てのものを探します。その眼鏡にかなったものが成長や木材の性質、あるいは花粉が少ないなど優れた性質の木(優良な品種)として世の中に出て行くことができるのです。

 

 検定林調査は、今いる自分たちのために何かの結果が出るものではなく、先人が積み重ねていったデータを今活用し、そして10年後20年後の後輩のためにデータを蓄積していく、なかなかできるものではない、思いやりが大事な作業・・・だと思います。

 

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【写真-1】輪尺(大きいノギスのようなもの)という器具を用いて、胸高の直径を測っていきます。

【写真-2】バーテックスという器具を用いて樹高を測っています。
超音波の反射時間で、測定者と木までの距離を測り、木の先端を覗くことにより角度を測ると、機械が樹高を表示してくれます。
距離と角度が分かれば高さが計算できる、三角関数ですね。

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