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財政学は、政府の経済活動に着目して、その政治過程や経済・社会への影響などを明らかにしようとする学問です。近年、森林環境税や水源環境保全税など、地方自治体が独自の課税制度を創設して水や森の保全を試みる動きが各地で広がっていますが、こうした動きは財政学という観点からみた時にどのように評価できるのでしょうか。
本書は、“水と森をどう守るのか”という課題に対して、国や地方自治体の関係、公共政策の費用負担や政府部門と民間部門の分担のあり方といった財政学的な観点から分析と検討を加えたものです。
<目次>
・序章 「水と森の財政学」とは何か(諸富 徹)
・第一章 森林政策における政府間財政関係(石崎 涼子*)
・第二章 水源地域における水資源の保全と財政負担(沼尾 波子)
・第三章 森林保全税政策の形成と全国的展開(高井 正)
・第四章 地方分権一括法と法定外税・超過課税の活用(其田 茂樹)
・第五章 神奈川県水源環境税による施策の検証と課題(清水 雅貴)
・第六章 水・森をめぐる公共政策とそのガバナンス(宮永 健太郎)
・第七章 水道事業の公私分担(伊集 守直)
・第八章 途上国の水道事業民営化(賴 俊介)
・第九章 「統合的水資源管理」の財政学
・終章 水と森の財政学(沼尾 波子)
*当所職員
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