森林総合研究所REDD研究開発センター 公開セミナー 「REDDプラスの資金メカニズムとその活用」

2014年末のCOP20リマ会合では、気候変動枠組条約（UNFCCC）第19回締約国会合（COP19）で合意した「REDDプラスのためのワルシャワ枠組み」を受け、結果ベース支払いのための制度設計についての具体的な検討に向けた一歩を踏み出しました。また、世界銀行はFCPFカーボンファンドの運用を開始し、既に数カ国が承認されています。さらに、日本も、二国間クレジット制度（JCM）の下でのREDDプラス活動の実施を目指して、制度的な枠組みを整えつつあります。
このように、REDDプラスのための資金メカニズムは、当初予想されていたコンプライアンス市場を主体とするものから、多国間、二国間、市場、非市場を含む様々な資金、支援を組み合わせて実施する方向に向かいつつあります。しかし、多様な資金と支援の活用方法と、制度の複雑化や重複の回避とが大きな課題となっています。また、REDDプラス対象各国では、受け入れた資金の活用法と森林減少・劣化のドライバーへの対処法に関して、早急な体制整備と制度設計が求められています。
このセミナーでは、REDDプラスのための資金に関する最新の国際的な動向について情報共有を図るとともに、今後の課題と展望について議論します。また、REDDプラス各国内における国際資金の効率的な管理・運用に向けた制度設計、既存の国内制度や公的支援の組み合わせによる効果的なドライバー対策等に関する知見も共有し、各国のREDDプラス推進による持続可能な森林経営の実現に向けた方策について議論を深めます。