森林保険センター > 森林保険センターについて > 所長挨拶
更新日:2022年5月25日
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河川の氾濫により水浸しになってしまった街、土砂崩れで埋まってしまった家屋や道路
――最近、こうした大きな自然災害のニュースに接することが多くなったと感じます。
近年、気候変動の影響により世界規模で自然災害が増加する傾向にあり、わが国においても自然災害が多発化、大規模化しつつあるようです。また、「この地にずっと住んでいるが、これほどの災害に遭ったことは一度もなかった」といった声を耳にするたび、これまで災害と縁のなかった地域でも大きな災害に遭うケースが増えているという現実を思い知らされます。
突然やってきて尊い生命や財産を奪っていく自然災害、今や日本中のどこで起きてもおかしくありません。より身近な脅威となっている自然災害、皆さん、災害への備えは十分でしょうか。
私たち人間は、台風や大雨など自然の猛威を止めることはできませんが、被害を最小限に抑えたり、災害に遭っても早く立ち直ることができるよう備えておくことができます。森林の場合、適切な整備・管理や、被災地の早期復旧を支援するために設けられた諸施策がそれに該当します。
森林保険は、昭和12年に山火事による災害跡地の復旧を推進するため、林齢20年以下の若い人工林を対象とする国営の森林火災保険として創設されました。それから80年以上にわたり、保険の対象に風害、水害、雪害等の6つの気象災害と噴火災を加えるなどの制度の充実が図られ、森林の損害を補填する総合的な保険として成長してまいりました。
森林所有者の皆様自らが災害に備える唯一のセーフティネットである森林保険は、被災による経済的損失の補填を通じて林業経営の安定に貢献するとともに、被災地の早期復旧にも大きな役割を果たしており、これまで森林所有者にお支払いした保険金は626億円※に達しています(記録が残っている昭和36年~令和2年度の実績)。
森林保険センターは、平成27年4月に森林国営保険業務を国から引き継ぎ、森林保険を取り扱う専門機関として発足しました。私たち保険センターの職員は、保険金支払の迅速化など被保険者等へのサービスの向上に努め、皆様が安心してご利用いただけるよう、森林保険制度の安定的・永続的な運営に取り組んでおります。
森林保険に入っていて助かったという声を励みに、皆様に寄り添った、より使いやすい保険となるよう尽力してまいりますので、ぜひ皆様のご意見、ご要望をお寄せください。
今後とも、森林保険及び森林保険センターへのご支援ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
国立研究開発法人森林研究・整備機構
森林保険センター所長吉永俊郎
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