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林業試験場関西支場
わが国の林業研究にとって、昭和56年の特筆すべき出来事は国際林業研究機関連合(略称ユフロ)の第17回世界大会が京都国際会館で開催されたことであろう。ユフロ90年の歴史の中で、欧米以外の国で世界大会が開かれたのは今回が最初であり、その意義は多方面から高く評価されている。わが国の林業研究および林産業の現状を世界の関係者に広く熟知して頂くのにも非常に良い機会であった。
この大会において、”林業研究の重点は世界の森林の生態をより完全に理解すること、森林の生産性を量、質両面で向上させること、林産物の加工、利用方法の改善をはかることである”、と宣言している。人類の生存基盤である森林の保護と管理、森林資源の保続的生産と合理的利用の観点から考えると、大会宣言の林業研究の重点は普遍的、恒久的なもので、地域林業研究にもそのまま当てはまるように思われる。
ここに昭和56年度に実行した試験研究の概要を年報として取りまとめ、関係各位のご参考に供する次第である。単年度の限られた分野の研究成果ではあるが、最新の研究成果の概要と当支場の動向とを掲載したので、ご一読の上、成果の活用を期待し、加えて、ご批判またはご助言などを頂ければ幸である。
なお試験研究を進めるにあたり、終始ご協力、ご助言を頂いている営林局署、林木育種場、府県、大学その他関係各機関のかたがたに暑くお礼を申し上げる。
昭和57年8月
林業試験場関西支場長遠藤泰造
一括版のpdfファイルはこちらです。年報第23号(昭和56年度)(PDF:7,117KB)
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