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更新日:2021年5月6日

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コウヨウザンの採穂園の造成・管理、さし木苗生産技術等の講習会を実施

令和3年4月7日

大分県農林水産部森林整備室からの要望を受けて、令和3年3月15日にコウヨウザンの採穂園の造成・管理、さし木苗生産技術等についての講習会を実施しましたのでその概要を紹介します。
大分県は、県土の7割以上の面積を森林が占め、このうち5割以上が人工林となっており、伐期を迎えた人工林の皆伐・再造林の対策を進めているところです。そこで、資源の平準化による持続可能な森林経営の確立を図るため、伐期の短縮が期待できる早生樹の造林も行っていく予定としており、このため早生樹として有望な樹種の一つであるコウヨウザンの採穂園の造成・管理、さし木苗生産技術等について、県担当職員及び苗木生産者を対象とした講習会の要望がありました。
一方、林木育種センターでは、平成27年度から29年度にかけて農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業「西南日本に適した木材強度の高い新たな造林用樹種・系統の選定及び改良指針の策定」においてコウヨウザンに関する研究を開始し、さらに、平成30年度から令和2年度にかけてイノベーション創出強化研究推進事業「木材強度と成長性に優れた早生樹「コウヨウザン」の優良種苗生産技術の開発」に取り組み、この中で九州育種場ではコウヨウザンの採穂台木の育成管理技術を開発するとともに、コウヨウザンさし木コンテナ苗技術を確立しました。
このため、今般の大分県からの要請を受けて講習会を行うこととなりました。
最初に会議室で資料を用いてコウヨウザンの採穂園の整備・管理の注意点やさし木苗生産方法、特性や造林の際の留意点などについて説明を行いました。その後場内の圃場に移動して、寝伏植栽方法で仕立てたコウヨウザン採穂園を見ながら育成方法や管理等についての講習を実施するとともに、コウヨウザンさし木コンテナ苗を実際に手にしながら生産方法等の説明を行いました
今回の講習会には大分県が認定した特定増殖事業者の方々も参加したことから、関心が高く要望のあった、九州育種場で特許を取得した「土を使わずミスト散水でさし穂を発根させる技術」(通称:エアざし)についても、開発に至った経緯や実際の導入方法等を説明しました。この他、優良種苗の普及促進に資するエリートツリーと特定母樹について、初期成長や材質等について説明しました。その後、場内圃場及び施設において、特定母樹等を見ながら、施設の整備や温湿度管理等について講習を実施しました。参加された方々からは、時期による発根具合等についての質問などがありました。

コウヨウザンの講習の様子 エアざしの講習の様子
コウヨウザンの講習の様子 エアざしの講習の様子

 

(九州育種場)

コウヨウザンの採穂園の造成・管理、さし木苗生産技術等の講習会を実施(PDF:184KB)

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