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更新日:2023年5月17日

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カラマツ特定母樹等の展示林設定と植栽指導

令和5年5月17日

林木育種センターでは、エリートツリーや優良品種の開発を行っており、エリートツリーのうち、基準を満たすものについては、特定母樹への申請も進めています。最近は、農林水産大臣がした「特定母樹」からの苗木生産が主流になりつつあります。林木育種センターは、都道府県や認定特定増殖事業者に原種を配布し、都道府県等においてはその原種を活用して造林用種苗を生産するための採種園や採穂園の造成が行われています。このように特定母樹から育成する苗木(特定苗木)を増産するための体制の整備が進んでいます。

カラマツはスギやヒノキ等と同様に、木材としての利用価値が高く、主要な林業樹種となっています。また、カラマツ特定母樹は、エリートツリーの中でも特に成長等の優れたものであるため、原種配布の要望が増加傾向にあります

特定母樹について、林業関係者等にその諸特性への理解を深めてもらい、その普及を促進するために、令和4年度は新たに5箇所の展示林を設定しましたが、このうち1箇所はカラマツの展示林です。これらカラマツの展示林の設定にあたっては、中部森林管理局と長野県、伊那市及び林木育種センターの4者で「展示林に関する覚書」を締結しています。

今回紹介する展示林は、浅間山山麓の浅間山国有林(長野県御代田町)にある清万採種園内の一部を伐採して整備された約1haの区域で、ここに4月19日にカラマツの展示林を新たに設定しました。この展示林は、関東育種基本区内では4箇所目となり、カラマツ特定母樹の展示林としては2箇所目となります。

当日は天候にも恵まれ、中部森林管理局、同局管内森林管理署、長野県、伊那市、御代田町及び林木育種センターの職員など総勢60名により、特定母樹25系統、比較対照となる第1世代精英樹4系統を合わせた40系統143本の植栽を行いました。今回の設定は、通常の展示林のように系統ごとに列状植栽するのではなく、ランダムな配置としました。これは、将来、種子を採取するための採種園としての機能を持たせるためです。このため、展示林としての役目を果たした後、ここから優良な種子が生産されることが期待できます。

植栽にあたっては、展示林設定の背景や経緯、この展示林が採種園としての機能も併せ持つこと、植栽苗木がコンテナ苗ではなく通常の裸苗であったことからその植栽方法、いわゆる一鍬植えではない丁寧植えと呼ばれる植栽の方法を、林木育種センター職員が説明・実演しました。その後、参加者が2人一組に分かれて、約2時間かけて苗木を植栽しました(写真1)。植栽完了後は、展示林の区域前で集合写真を撮影し(写真2)、終了となりました。

(指導普及・海外協力部 指導課)

 

写真1 写真2

 

カラマツ特定母樹等の展示林設定と植栽指導(PDF:388KB)

 

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