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更新日:2021年9月10日

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太平洋共同体事務局(SPC)ブライ氏来訪

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テリハボクに関する共同研究のカウンターパートである太平洋共同体事務局(Secretariat of the Pacific Community:以下SPCと記述)コーディネーター、ブライ氏がREDDセミナーの講演者として来日された機会を捉え、育種センター(日立市)へ来所頂き、職員を対象に「太平洋島嶼国における造林活動」を主題に講演を頂きました。

 

ブライ氏略歴

本名:Mr. Sairuisi Sevu Bulai
    フィジー生まれ
    過去にフィジー国政府森林局職員。森林管理から木材利用まで幅広い分野の要職を歴任。
    2002年からSPC土地資源局の森林分野専門職として勤務。現職はコーディネーター。

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主要講演項目

SPCの概要(設置の経緯、機能、組織構成など)
SPCによるメンバー国への森林活動支援
島嶼国における森林資源の重要性
森林破壊の原因
森林復旧に必要な技術基盤等
メンバー国における造林の実績(早生樹種→高品質樹種→郷土樹種の流れ)

 

育種センターとSPCとの共同研究について

林木育種センターではテリハボクの育種研究の促進を目的としてSPCとの共同研究を開始しました(2012年2月~2017年2月の5年間)。テリハボクは熱帯及び亜熱帯の海岸域に広く分布し、防風林としての植栽や家具材への木材利用など様々な面で同地域の人々の役に立っている有用な植物です。
 共同研究ではSPCと種子を交換し、お互いの環境で、より耐風性や耐潮性、その他の生長形質に優れたテリハボクの選抜に取り組む予定です。
 また、研究成果として得られた優れた種苗の普及には、長い年月の中で獲得されたテリハボクの遺伝的な多様性や地域的な固有性の保全にも留意する必要があります。このため当センターではテリハボクの分布の南限域(SPCメンバー国)や北限域(宮古島)など広く資料を収集して分析することで遺伝構造に関する情報や種子の分散(種の分布の変遷)についても解明し、遺伝的多様性保全に配慮したテリハボクの普及戦略の立案の検討をすることまでを目標としています。

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今回のブライ氏の来訪により、SPC側に林木育種センターの研究状況や研究施設などをより具体的に説明することが出来、今後の共同研究の方向性について有意義な議論が出来ました。また、これからのSPCメンバー国の技術者を対象にした技術研修などの実施計画を策定する際にも役立てられ、より効率的・効果的な技術研修の実施、ひいては短期間での技術者の養成といったことにもつながっていくことが期待されます。

 


お問い合わせ

所属課室:森林総合研究所林木育種センター育種企画課 

〒319-1301 茨城県日立市十王町伊師3809-1

電話番号:0294-39-7002

FAX番号:0294-39-7306

Email:ikusyu@ffpri.affrc.go.jp