第50回林業科学技術振興賞（研究奨励賞） （青木 謙治）

森林総合研究所 構造利用研究領域 木質構造居住環境研究室

青木 謙治

木質構造物の耐震性・安全性向上に関する研究

1995年の阪神淡路大震災以降、木造建築物の耐震性に関する研究は飛躍的に進展しているが、国産材の需要拡大に伴い、新たな課題も出てきている。本業績では、木造建築物の“耐力壁”と“床構面”の剛性が耐震性能に大きく関与することに着目し、国産材を用いた構造用合板の品質とそれを用いた耐力壁・床構面の構造性能の関係を精査し、学術的に高い評価を受けた。さらに、一連の成果は、業界団体等と産学官連携を図りながら、大臣認定の取得や技術マニュアルの整備等、開発した成果の早期普及に努め、わが国の木造住宅の耐震性・安全性向上に寄与するとともに、構造用合板の需要拡大、およびそれに用いる国産材の需要拡大にも大きく貢献したことによる林産業振興への貢献が高く評価された。