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1.受賞名 | 応用森林学会奨励賞(受賞日:2016年10月22日) |
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2.受賞者の氏名、所属 |
松本 剛史(森林総合研究所 森林昆虫研究領域) |
3.受賞理由 |
我が国における主要な造林樹種であるスギ・ヒノキに材変色被害をもたらすキバチ類に関して、一連の研究成果がキバチ類による材被害軽減技術の開発に大きく貢献した点が、高く評価された。 |
4.受賞対象研究の紹介 |
スギ・ヒノキ人工林の間伐施業の方法によって、材変色被害をもたらすキバチ類の発生を抑制し、被害を軽減させることが可能であることを明らかにした※。また、キバチ類が保有している材変色被害の直接の原因となる共生菌キバチウロコタケの生態および木材腐朽能に関して新たな知見を見いだし※※、樹木・媒介キバチ類・共生菌という生物間相互作用を明らかにすることによって、材変色被害のメカニズムが明らかになった。加えて、キバチ類成虫に誘引活性の認められる樹木由来の揮発性成分群が林内において経時的に変化する動態を明らかにし※※※、化学生態学的側面を含めた総合的な材変色被害軽減技術への提言を可能とした。 ※松本剛史、佐藤重穂 (2015) スギ伐り捨て間伐施業法の違いからみたキバチ類の発生状況 —高知県香美市の事例—、応用森林研究、24 (1) 9-13. ※※松本剛史、佐藤重穂 (2014) キバチ類に共生するキバチウロコタケAmylostereum laevigatum の木材腐朽能力試験、応用森林研究、23 (2) 11-14. ※※※松本剛史、佐藤重穂 (2016) 材変色被害をもたらすキバチ類および共生菌の繁殖生態、第67回応用森林学会研究発表要旨集、67, 23.
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