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更新日:2019年6月24日

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木材保存学術奨励賞(小林 正彦)

1.受賞名 木材保存学術奨励賞(受賞日:2019年5月28日)
2.受賞者の氏名、所属

小林 正彦(木材改質研究領域)

3.受賞理由

混練型WPCの木粉含有率が耐候性に及ぼす影響に関する研究が、木材保存の研究分野に大きく貢献することが期待されるとして高く評価された。

4.受賞対象研究の紹介

木材・プラスチック複合材料(混練型WPC)は屋外で長期間使用すると、変色だけでなく、チョーキング(粉ふき現象)の発生といったWPC特有の問題が生じ、美観や機能を損ねてしまう場合がある。そこで本研究では、WPCの主原料である木粉の含有率が変色やチョーキングに及ぼす影響を精査した。その結果、木粉含有率30%を境にして変色の傾向が大きく異なることや、木粉含有率を高くするに従いチョーキング発生度合が高くなることなどを明らかにした。またWPC中の木粉含有率を、全反射測定法によるフーリエ変換赤外分光分析により、非破壊で簡便に定量する手法を確立した。今後、これらの成果の利活用により、WPCの耐候性に関する問題が根本的に解決され、高い耐候性を有するWPCの製造が可能になると期待される。

【関連論文】

1) 小林 正彦、片岡 厚、石川 敦子、松永 正弘、神林 徹、木口 実:木材・プラスチック複合材(混練型WPC)の耐候性に及ぼす木粉含有率と表層研削の影響、森林総合研究所研究報告、16(1)、1-12(2017) DOI:10.20756/ffpri.16.1_1(外部サイトへリンク)

2) 小林 正彦、久保 智史、片岡 厚、石川 敦子、松永 正弘、木口 実、大友 祐晋(エア・ウォーター・エコロッカ株式会社):示差走査熱量法および赤外分光分析法による木材―プラスチック複合材料(混練型WPC)の定量分析II ―PP/PE混合物をプラスチック原料とするWPCへの適用性―、木材保存、41(1)、8-17(2015) DOI:10.5990/jwpa.41.8(外部サイトへリンク)

3) 小林 正彦、久保 智史、木口 実、片岡 厚、松永 正弘、川元 スミレ、大友 祐晋(エア・ウォーター株式会社):示差走査熱量法および赤外分光分析法による木材―プラスチック複合材料(混練型 WPC)の定量分析、木材保存、39(1)、7-15(2013) DOI:10.5990/jwpa.39.7(外部サイトへリンク)

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