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1.受賞名 | 2022年度日本地球化学会奨励賞およびJAICI賞(受賞日:2022年9月8日) |
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2.受賞者の氏名、所属 |
眞中 卓也(立地環境研究領域) |
3.受賞理由 |
「河川系や森林土壌における炭素や放射性セシウムの動態に関する地球化学的研究」が、地球化学の進歩に寄与する優れた内容であり、かつ将来の発展を期待しうるものとして評価された。 |
4.受賞対象研究の紹介 |
ヒマラヤ造山帯の大河川における採水調査により、数年~数10年の比較的短い時間スケールでは流域の土壌由来の二酸化炭素を大気中に放出し、数万~数100万年の長い時間スケールでは流域の岩石(特にケイ酸塩岩)の風化によって大気中の二酸化炭素を消費するなど、河川は大陸から海洋へ多くの炭素を運搬する以外にも、対象とする時間スケールによって異なる役割を担っていることを明らかにした。 加えて、2011年3月の東京電力福島第一原発事故以降10年間に渡るモニタリング調査を行い、放射性セシウムが樹冠や土壌の落葉層から鉱質土層の表層へと移動して、現在ではそこからほとんど動かなくなっていること、森林特有の落葉などの有機物が一部の放射性セシウムを物理的に捕獲する可能性があること、根によって土壌から樹木に再吸収される動きやすい形態の放射性セシウムは、事故から時間が経過するにつれて徐々に減少していることなどを明らかにした。 |
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